インプラント治療の説明書と同意書の作り方
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 マテリアルやポンティックによって料金設定が異なる場合があることや、埋入位置や埋入の成否によって術前にした説明から補綴歯数が変更になる場合があること、さらに対合歯とのクリアランスの不足により患者さんが要望する上部構造が製作できない場合もあることから、❶固定の方法❷使用される医療材料(マテリアル)bydentist書類作成のPOINTPOINT1 上部構造の製作にあたって決定しなければならない事項は、主として、❶固定の方法、❷使用される医療材料(マテリアル)、❸補綴装置・補綴歯数です。これらにはさまざまなものがありますが、そのうちのどれを選択するかによって、患者さんに生じる利害得失の具体的な内容、端的に言えば、それぞれの長所と短所が異なります。POINT2 長所と短所は、機能=使い勝手、審美=見た目、経済=医療費の面で生じます。基本的には、選択可能な❶固定の方法、❷使用される医療材料、❸補綴装置・補綴歯数のそれぞれについて、あるものは他のものよりも機能の面で優れ、あるものは審美の面で優れ、あるものは経済の面で優れている、ということになります。 説明書には、これらの点を患者さんにわかりやすく記載する必要があります。POINT3 上記の長所や短所は、一般論にすぎません。個々の患者さんの身体状況、病状によっては、いくつかのものが、医学的にみて「不向き」である、というケースもありえます。 説明書は、あくまでも個々の患者さんに対するものです。それゆえ、個々の患者さんにおいて「不向き」であるとの事情は、長所や短所に優先して考慮されなければなりません。 説明書は、このような事情があるケースにも対応できる内容とするのが、より適切でしょう。❸補綴装置・補綴歯数について明瞭な書類の作成が必要です。特に固定の方法は患者さんの了解を得ず製作する歯科医師も多いですが、アクセスホールによる審美障害やセメントによるリカバリーの困難さなど、メインテナンス時に関わる要素を有しているため、ないがしろにしてはなりません。同じ4本の埋入でも補綴装置や補綴歯数が異なることから、医療費も大きく異なってくる。誤解を受けないよう写真等を用いた十分な説明が望ましい。bylawyer書類作成のPOINT同じ埋入本数でも補綴装置と補綴歯数が異なる例ロケーターアタッチメントを用いたインプラント・オーバーデンチャー。All-on-4によるボーンアンカードブリッジ(スクリュー固定式上部構造)。78患者さんを「クレーマー」にしないための インプラント治療の説明書と同意書の作り方

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