下野先生に聞いてみた2
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011オーバー・アンダー根充図1-1a アンダー根管充填(生活歯髄が残存)の模式図.根尖部に生活歯髄が残存すると,デンティンブリッジが形成される.図1-1b アンダー根管充填(歯髄が失活)の模式図.感染根管の治療後にアンダー根管充填を行なうと,根尖側根管内に空隙(死腔dead space)が形成される.再汚染や感染が起きたり,または,線維化して根尖瘢痕を形成する.歯槽骨歯根膜象牙質セメント質ガッタパーチャデンティンブリッジ根尖組織歯髄歯槽骨歯根膜象牙質セメント質ガッタパーチャ根尖瘢痕死腔図1-2a オーバー根管充填の模式図.根尖孔外へ溢出した非吸収性の充填材は,肉芽組織によってとり囲まれ,線維化する.歯槽骨歯根膜象牙質セメント質ガッタパーチャ線維化・被包(b)歯髄が失活している場合 感染根管の治療後にアンダー根管充填を行なうと,根尖側根管内に空隙(死腔dead space)が形成され,再汚染や感染の機会が多くなると考えられます4.この空隙に細菌が残存して,壊死歯髄組織や炎症性滲出液を栄養分として増殖すれば,根尖性歯周炎(根尖病変)の再発を引き起こします. 炎症を誘発する因子がなければ,空隙(死腔)は,根尖側から増殖した肉芽組織によって補填され,やがて線維化するので「根尖瘢痕」(apical scar)を形成します(図1-1b)4,5.オーバー根管充填(充填材の根尖孔外への溢出) ガッタパーチャなど非吸収性の充填材が根尖孔外へ溢出した場合は,肉芽組織がとり囲み,さらに線維化して被包します4,5(図1-2a,1-2b).糊剤充填材(シーラーな

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