下野先生に聞いてみた2
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096PART 4 移植・再植の疑問ask移植・再植01歯根膜① アンキローシスアンキローシスが起こりやすい歯根膜の状態とは何でしょうか?移植・再植の歯根膜に9mm2以上大きな欠損が生じた場合は,アンキローシス(骨性癒着)が起こるとされています.answer【くわしい説明とEvidence】歯根膜の欠損とアンキローシス 歯の移植・再植に関してAndreasenは「歯根膜を除去した範囲が9mm2以上大きくなると癒着が起こり,それより小さければ歯根膜の再生が起こる」と報告しています1.したがって,抜歯時の挫滅によって1cm2を超える歯根膜の欠損が生じた場合は,移植・再植の前に思い切って抜歯窩の骨壁を削除して,歯と骨の間に十分な距離を確保することが重要と思われます.再植の場合は図1-1 歯根膜の幅とアンキローシス.①歯と骨の距離が近すぎる場合 比較的小さな欠損でもアンキローシスが起こる可能性がある.②歯と骨の距離が広い場合 歯根膜の再生が起こり,アンキローシスは起こりにくいと考えられる.*参考文献3を改変新生骨新生歯根膜新生骨骨歯根膜セメント質新生骨新生骨骨歯根膜セメント質①歯と骨の距離が近すぎる場合②歯と骨の距離が広い場合

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