これならわかる 少ないバーでできる生活史の支台歯形成法
2/6

9Part 01 基礎編ガイドグルーブの付与である.そのためには図1-1-2に示した専用のバーであるラウンドバーを用いる. また形成のシンプルさを実現するため,ラウンドバーを使用する際には,タービンヘッドの位置を横に変えることによって,あらゆる角度からバーを歯面に当てることが重要である.この時ガイドグルーブは必ずエナメル質上に付与する.象牙質内に付与してしまうと露髄させる危険がある.ラウンドバーは通常1.8 mm径のものを使用するが,補綴物の種類により(とくに下顎前歯部への補綴物には),1.0 mm径のものを用いたほうが良い.ガイドグルーブの付与を正確に行い,その後はグルーブに沿って形成すれば良いので,自然に2面,3面に形成できる. ただし,咬合面や切端は1.5倍あるいは2.0倍の深さで,ガイドグルーブを付与する必要がある.ガイドグルーブを付与する時の注意点としては,一筆書きのようにバーを用い,何回も歯面上を往復させないこと.前歯部の形成Ⅲ 前歯部の形成おいて,小臼歯部,大臼歯部の形成と異なる点は唇舌側面の削除の前に歯の先端を削除し,その後の削除を行いやすくすることである. また形成に際しては,ミラーを使って行うことは図1-1-3〜6 図3:形成前の前歯部唇側.図4:ガイドグルーブの付与はタービンの回転方向に沿って,左隣接面から開始する.エナメル質上に一筆書きのように左隣接面→歯頸部→右隣接面の順でエナメル質を削除し,ガイドグルーブを付与する.図5:唇側にガイドグルーブを付与した状態.図6:舌側も同様に削除する.図1-1-7 同様に唇側中心部にガイドグルーブを付与する.図1-1-8 唇側,切端にガイドグルーブを付与した状態.切端は唇側ガイドグルーブより1.5倍削除する.図1-1-9 舌側も同様に中心部にガイドグルーブを付与する.前歯部のガイドグルーブの付与3456

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る