これならわかる 少ないバーでできる生活史の支台歯形成法
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60症例1:エステニアⓇ連結ブリッジを用いて審美性を回復した症例Ⅰ 主訴:患者は63歳の男性.上顎前歯部の動揺を主訴に来院した 臨床所見:図4-1-1のエックス線画像から,歯槽骨の高度の喪失,歯の動揺,深い歯周ポケットが認められた.上顎の歯周病が重篤であることは明白であった. 治療方針:歯周病の治療後,上顎左側第一大臼歯は抜歯とし,右側第一小臼歯から左側第一大臼歯までを連結固定後,上顎左側第一大臼歯までを延長ブリッジ(④③②①①②③④⑤6)とすることにした. 下顎はコーヌスデンチャー(④③②112③④567)により補綴されていたため,上顎左側第一大臼歯までを固定することで十分な咬合支持が得られると考えられた. 繰り返しになるが,患者の長時間の負担を軽減しつつ,全部で9歯の平行性を確保する形成を行うためには,Chapter02・Part01で述べた形成法を用いるのが最良である. 以下,図4-1-2〜12までに本症例の治療手順を示す.02ChapterPart 02臨床編Ⅰ.症例1*図4-1-1 初診時のエックス線画像.上顎に重度歯周病が認められる(赤矢印).上顎歯槽骨は全体的に喪失し,辺縁歯槽骨のV字状骨欠損および上顎左側第一大臼歯の根分岐部骨欠損が認められる(青矢印).上顎両側中切歯間の歯間離開(※)も確認できる.

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