インプラント YEARBOOK2019
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3i T3® インプラントシステム3i T3® インプラントシステムClinical Report最新インプラントシステム―各種インプラントシステムの臨床応用―Zimmer Biomet T3® ショートインプラントの臨床例船登彰芳(Funato, Akiyoshi)(石川県金沢市開業:なぎさ歯科クリニック)所属・役職5-D Japanファウンダー,アメリカ歯周病学会(AAP)会員,アメリカインプラント学会(AO)会員,ヨーロッパインプラント学会(EAO)会員,ヨーロッパ審美学会Aliate member (EAED)はじめに インプラント治療が導入された当初は,補綴装置とインプラント比は天然歯の歯冠・歯根比に準じて1:2もしくは1:1を指標としてインプラント埋入されていた.そのため,2回法インプラントでは最低限10mmの長さが推奨されていた.しかしながら機械加工の表面性状よりラフサーフェイスの有効性が示された今日,各インプラントメーカーは,低侵襲を目的としたショートインプラントを市場に投入している. 本稿では,筆者が考えるショートインプラントの有効性と注意事項を報告し,併せてZimmer Biomet 社製のT3®ショートインプラントの臨床例を提示する.ショートインプラントの文献的考察 臨床において,重度に委縮した顎骨にインプラント埋入を行う場合も少なくないのが現状である.その場合の解決方法として,通常,部分欠損症例において上顎臼歯部では上顎洞底挙上術1),下顎臼歯部では垂直的骨造成2),もしくは特殊な術式として下歯槽神経移動術の併用が考案,実践されてきた.しかしながら今日では,欠損状況が適応であれば,インプラントの埋入方向を傾斜させて,自家骨内に埋入する手法3)やラフサーフェイスの有効性が示された結果4),既存骨にショートインプラントを埋入し,可及的に低侵襲にインプラント埋入を行う手法が注目されている(図1).ショートインプラントの生存率 2回法のインプラントでは,一般的に10mm以下をショートインプラントとして定義している報告は多い.Nevesら5)は,7mm,8.5mm,10mmのショートインプラント16,344本の生存率を報告した.その結果,全体として4.8%の喪失しかなかったとしたが,疎な骨質(Type4)では,その生存率に影響しているとした.同様にSunら6)は,14,722本のインプラントが含まれたシステマティックレビューにおいて,失敗は659本で4.5%と報告した.半分以上は補綴前の失敗,すなわちディスインテグレーションで141141

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