インプラント YEARBOOK2019
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ジンマー・バイオメット・デンタル株式会社図5a~c 初診時の正面観と咬合面観およびパノラマX線写真.上顎臼歯部は₇を除き,歯周疾患で抜歯と診断.両側とも上顎洞底までの距離は浅いことが予測される.症例1:上顎臼歯部にT3®ショートインプラントを埋入した症例(図5~8)・患者年齢および性別:49歳,男性・初診日:2016年1月・主訴:欠損部に固定式補綴装置を希望して来院.図6a,b ₆部では上顎洞底までの距離が4mm程度であったので,上顎洞底挙上術を併用し,通常の長さのインプラント(5×10mm)の埋入を行った.その後,側方骨造成を併用した.ければ,方向性・深度・初期固定の獲得の3つを達成することが難しい(図4).したがって,ショートインプラントの活用には埋入術式のスキルが要求される. その点T3®ショートインプラントは,皮質骨の固い下顎ではタップドリルが必要なこともあるほどドリルとインプラント体のマッチングは良好に設計されている.ただし,上顎の臼歯部での疎な骨質においては,メーカー指定の手順ではなく最終ドリルを浅く形成するようなアンダープレパレーションが必要な場合も少なくないことに留意していただきたい.症例1 症例1の患者は初診時49歳男性,上顎臼歯部にインプラント治療を希望して来院.₄₄および₇は重度歯周病のため抜歯と診断した.両側とも上顎洞底は低位にあり,通法のインプラント埋入では上顎洞底挙上術が必要であることを認めた.右側では骨幅が少なかったことから,₆部に側方からの上顎洞底挙上術ならびに側方GBRを併用し,従来の長さのインプラントを埋入した.しかしながら左側は骨幅十分にあったとから,低侵襲を目的として,最小限の上顎洞底挙上術を併用しショートインプラントの埋入を行った.bbcaa144Clinical Report

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