シリーズMIに基づく歯科臨床 vol.05 ペリオドントロジー&ペリオドンティクス 下巻
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CHAPTER 8 検査と診断107抜歯の判断基準①Fig 8-3a, b 初診時.38歳,女性.7部の痛みで来院.7はEPT(+)で,遠心に骨透過像がみられ,プローブは根尖まで挿入できる.Fig 8-3c~e 術前のCBCT像.7の頬側から遠心にかけて大きな骨透過像がみられる.また,わずかな歯根吸収像もみられ,保存不可能と考えられた.しかし,抜歯窩は「歯に依存しない骨量」(TIBV)で構成されており,感染が除去されれば骨再生の可能性が高いと判断された.Fig 8-3f~i 抜歯された7頬側から遠心にかけておびただしい歯石が付着しており,また,根尖部には歯内感染由来の病変組織の付着がみられる.一見,保存は不可能であるが,歯根膜は約半分保存されており,歯根形態が単根で凹面が少ないことから,意図的再植で保存が可能であると考えた.逆に根の形態が2根に分かれていたり,C状根であれば,抜歯のみで治療を終えるのがよいと思われる.そのような根では,治療後に歯肉の適合が生じにくく,歯周炎の再発が起こりやすい.abcdefhgimesialbuccaldistallingual₇coronalsagittalaxial

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