矯正歯科治療ガイドブック
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136補綴治療が必要な場合、治療計画を総合的に立てられる補綴治療に主軸をおいた治療計画に、矯正歯科治療を取り入れることができる。それによって、治療計画をより総合的に立案することが可能となり、より良い補綴治療ができる7矯正歯科治療中に他の治療も継続して行える矯正歯科治療を行いながら、歯周病の管理や治療、う蝕の管理や治療などを十分に行うことができる8かかりつけ医としての矯正歯科治療ができる患者の生活環境を考慮したアドバイス、咬合のチェック、補綴装置の修理など、一般歯科でしか対応できない複雑で細やかな部分へのアプローチが可能である9保定中のメインテナンスが多角的な視野で行える歯列の後戻りだけでなく、歯周組織の状態や早期接触の有無などのチェックをあわせて行うことができる。また問題に気付いたときに必要な処置をその場で行うことができる10ひとつの歯科医院で治療が完結する矯正歯科治療、補綴治療、歯周治療などすべての治療に対し、ひとつの医院が一貫して責任を負うことができ、患者の利便性も高い。治療後に歯並びが乱れてしまうなど患者の望まない状況になっても、他院と責任の押しつけあいにならない一般歯科で矯正歯科治療を導入するメリットは、導入しないメリットよりもはるかに多く、患者への利益や恩恵は計り知れないと著者らは考える。ただ、診療体制や専門性の高さからすべての矯正歯科治療が十分にできるわけではないため、信頼できる矯正専門医のサポートのもとで治療を行うことが望ましい。また、診療内容に応じたスタッフ教育も必要となる。一般歯科で矯正歯科治療を行うメリットIntroduction| 一般歯科で行う矯正歯科治療に必要なこと

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