SAFE Troubleshooting Guid Volume 4
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デジタルワークフローで生じる口腔内スキャナー(IOS)とCBCTのトラブルに関する文献レビューのミスフィットが許容されると予想されている15)。 先ほども述べた通り、現時点ではIOSによるデジタル印象の精確さはIOSの種類により統計学的有意性をもって異なっており、特に真度が問題となっていることがわかった。また無歯顎における複数本のインプラントで測定値が50μmを大きく超えているIOSも存在しており、IOSの種類によっては最終上部構造の適合性に問題を惹起し、最終的には生物学的合併症や機械的(技術的)合併症を誘発するリスクを持っていることがわかった。には大きな違いがあるが、精度には統計学的有意差が認められないことがわかった。 ここでもうひとつの疑問が出てくる。それは、IOS同士に有意差があっても、実は臨床的には許容範囲内ではないか? ということである。そこで、上部構造がどの程度ミスフィットしていると問題があるのかを検索した。過去の2本の論文では、フレームとアバットメントに30~150μmの誤差が生じると生物学的および機械的合併症が多いことが報告されている12、13)。一方、インプラントは骨組織内で最大50μmまで動揺する可能性が報告されている14)。以上から、各インプラントには最大で50μm表2-a 部分無歯顎模型でのIOS種類別真度(Trueness)および精度(Precision)いずれのIOSにおいても、真度および精度は無歯顎模型のもの(表2-b)よりも有意に優れる。IOSの種類真度(Trueness)精度(Precision)①CS3600(Carestream Dental社)45.8±1.6μm(②③④と有意差あり)24.8±4.6μm(IOS間での統計学的有意差を認めない)②Trios3(3 shape社)50.2±2.5μm(①③④と有意差あり)24.5±3.7μm(IOS間での統計学的有意差を認めない)③Omnicam(デンツプライシロナ社)58.8±1.6μm(①②と有意差あり)26.3±1.5μm(IOS間での統計学的有意差を認めない)④TrueDefinition(3 M社)61.4±3.0μm(①②と有意差あり)19.5±3.1μm(IOS間での統計学的有意差を認めない)表2-b 無歯顎模型でのIOS種類別真度(Trueness)および精度(Precision)IOSの種類真度(Trueness)精度(Precision)⑤CS3600(Carestream Dental社)60.6±11.7μm(⑧と有意差あり)65.5±16.7μm(IOS間での統計学的有意差を認めない)⑥Trios3(3 shape社)67.2±6.9μm(⑧と有意差あり)31.5±9.8μm(IOS間での統計学的有意差を認めない)⑦Omnicam(デンツプライシロナ社)66.4±3.9μm(⑧と有意差あり)57.2±9.1μm(IOS間での統計学的有意差を認めない)⑧TrueDefinition(3 M社)106.4±23.1μm(⑤⑥⑦と有意差あり)75.3±43.8μm(IOS間での統計学的有意差を認めない)SAFE(Sharing All Failed Experiences) Troubleshooting Guide Volume4 補綴・技工的合併症編23

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