SAFE Troubleshooting Guid Volume 4
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3章 インプラントオーバーデンチャーのトラブルバーアタッチメントから磁性アタッチメントへの変更3-2機械・構造的合併症補綴・技工的合併症生物学的合併症外科的合併症審美的合併症患者由来性合併症Factor(①外科的な侵襲、②高度な知識・技術、③長期的な治療期間、④高額な治療費)トラブル 患者は77歳、女性。2008年4月初診。既往歴として、1997年に胃癌のため胃全摘手術済み、現在の経過は良好。咀嚼障害を主訴に来院。 上顎は、う蝕ならびに不適合補綴装置が多数存在していた。下顎は無歯顎であり、義歯が痛くて食事ができないとのことであった。 咬合平面の不揃いが咀嚼障害の原因の1つと考え、上下義歯による補綴計画を立案した。上顎は不良補綴装置を除去して仮義歯を製作し、下顎にはインプラントオーバーデンチャーによる補綴計画を立案。最終義歯では上顎にマグネットデンチャー、下アタッチメントの脱着困難、違和感顎はバーアタッチメントによるインプラントオーバーデンチャーを製作した。問題提起 患者は咀嚼機能の改善については満足され喜んでいたが、下顎義歯の取り外しが難しく、また夜間に義歯を外した後、どうしてもバーアタッチメント部を舌で触ってしまい舌が痛いとのことであった。その後、仮義歯(ヒーリングキャップにティッシュコンディショナーを使用)の状態に戻してほしいと訴えられた。図1-a 初診時パノラマX線写真。大きく咬合平面が乱れている。図1-b、c トランスファーコーピングを用いた印象採得。口腔内でパターンレジンどうしを固定するように製作されている。cbaLevel Ⅵ 専門機関への依頼を要するLevel Ⅴ ①~④の4つを要するLevel Ⅳ ①~④の3つを要するLevel Ⅲ ①~④の2つを要するLevel Ⅱ ①~④の1つを要するLevel Ⅰ ①~④を特に要さない1トラブルおよび問題提起(マテリアル)78SAFE(Sharing All Failed Experiences) Troubleshooting Guide Volume4 補綴・技工的合併症編

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