SAFE Troubleshooting Guid Volume 4
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5章 欠損補綴設計・治療計画のトラブルアクセスホールポジショニングの問題への補綴的リカバリー5-2機械・構造的合併症補綴・技工的合併症生物学的合併症外科的合併症審美的合併症患者由来性合併症Factor(①外科的な侵襲、②高度な知識・技術、③長期的な治療期間、④高額な治療費)外科処置を行えないという治療規制のあった症例であり、GBRなどの外科的処置は行っていない。前歯部は保存不可能のため抜歯を行った後、やむをえず現状の既存骨へ2本のインプラント埋入を行っている。結果、ポジションが前方へと位置してしまい、補綴的にリカバリーを行う必要性が生じた。 インプラント補綴装置は、担当歯科医師および患者の意向もあり、スクリュー固定に限定している。トラブル 患者は65歳、女性。元々装着されていたインプラント補綴装置により、歯肉の腫れによる痛みを訴え来院。不良補綴装置のためか、過度のブラックマージンを認めたことに加え歯根も露出し、骨が退縮している(図1-a)。術前のパノラマX線写真から上顎前歯部付近には明らかな骨量不足が見受けられる。 本症例は金銭的理由等でインプラント埋入以外の埋入ポジション不良a図1-a 初診時口腔内写真。著しい炎症と審美障害を呈している。上顎4前歯は保存不可能の状態である。図1-b 初診時パノラマX線写真。上顎前歯部の著明な骨吸収を認める。bcd図1-c 抜歯を行った状態。既存骨の薄さがわかる。図1-d インプラント埋入時。GBRを行えない条件下で、できるだけ既存骨にインプラントを埋入している。Level Ⅵ 専門機関への依頼を要するLevel Ⅴ ①~④の4つを要するLevel Ⅳ ①~④の3つを要するLevel Ⅲ ①~④の2つを要するLevel Ⅱ ①~④の1つを要するLevel Ⅰ ①~④を特に要さない1トラブルおよび問題提起(マテリアル)122SAFE(Sharing All Failed Experiences) Troubleshooting Guide Volume4 補綴・技工的合併症編

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