トラブル事例に学ぶ歯科訪問診療
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 訪問診療の現場には引火物が多く、火災防止のための細心の注意が必要です。日常の外来歯科診療では、咬合床軟化のためにガストーチ等の火を用います。しかし診療室外の訪問先では、ベッドサイドなどにカーテン、枕、毛布等の可燃物が多く、使用する器材の変更を考慮する必要があります。 対策として、熱湯を保温器具に入れて持っていくことで、火を使用せずにワックスを軟化することができ、火災の防止につながります。咬合床軟化のために熱湯を使用未然に防ぐために義歯製作のための咬合採得時、咬合床軟化中にカーテンをこがしてしまった!keyword物損21トラブル事例トラブル発生状況直後の対応患者:82歳/男性/要介護5/寝たきり主訴:入れ歯を作ってほしい傷病名:大腿骨骨折家族構成:妻(80歳)、2人暮らし訪問先:居宅担当ケアマネジャーからの依頼で訪問。義歯製作のための咬合採得時に、ガストーチを用いて咬合床を軟化中に、カーテンをこがしてしまいました。その場で気がつき、火が移っていないことを確認し大事には至りませんでした。カーテン等へ引火していないことをすぐに確認しました。訪問先を出る際にカーテンをこがしたことを報告し、謝罪しました。ご本人、奥様は若干の認知機能の低下もあり、後日、ケアマネジャーへも報告しました。解説:浅野倉栄POINTどんな些細なことでも、訪問先のご家族や訪問先施設、ケアマネジャーへの報告を怠らないことです。訪問前訪問中訪問後72困ったぞ! こうなりたくない! トラブル事例に学ぶ歯科訪問診療

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