プリアジャステッドアプライアンスの治療とモニタリング
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(1)非抜歯治療 ALD量と切歯の唇側傾斜,歯列弓の側方拡大,ストリッピングが検討される.下顎切歯ブラケットは,-6°のトルクで下顎切歯の唇側傾斜を防止する.(2)上下顎第一小臼歯抜去 第一小臼歯は,前歯部の叢生の是正と前歯歯根をハウジングしかつ犬歯歯根を十分に遠心移動するために抜去される.犬歯のClassⅠ関係が達成されてオーバージェットが大きいときには,下顎切歯のトルクを+6°にする.(3)犬歯低位唇側転位の場合 犬歯低位唇側転位の場合や犬歯の歯根近心側の歯槽骨が薄い場合,第一小臼歯を抜去して犬歯を歯列内に誘導する(図4-1-2).犬歯の低位唇側転位で切歯,犬歯を一度にブラケティングしてワイヤーを装着すると,側切歯の圧下や第二小臼歯の近心傾斜を引き起こす.この場合は,第一小臼歯を抜去して切歯にブラケティングし,ワイヤーの変形を最小限にして装着する.犬歯は抜歯空隙に自然に誘導されるので,ワイヤーの変形が小さくなった時点でブラケティングされる.ClassⅠ不正咬合の治療アルゴリズムClass Ⅰ 不正咬合 上下顎第一小臼歯上顎第一小臼歯抜去上顎犬歯遠心移動犬歯Class Ⅰ 達成下顎第一小臼歯抜去下顎犬歯遠心移動空隙閉鎖フィニッシング・細部調整上顎歯列レベリング・アライニング 上下顎犬歯スロットの水平化上下顎犬歯スロットの水平化上下顎第一小臼歯抜去犬歯遠心移動上下顎切歯レベリング・アライニング空隙閉鎖フィニッシング・細部調整フィニッシング・細部調整上下顎側方歯レベリング・アライニング 上下顎切歯レベリング・アライニング上下顎側方歯レベリング・アライニング 犬歯唇側転位抜歯i1c1m1i1c1m1i1c2m1i1c1m1i1c1m1YesNoYesNo非抜歯図4-1-1 ClassⅠ不正咬合.954-1 治療ゴールに至るアルゴリズムChapter5治療を管理するChapter1わたしの考え方Chapter2プリアジャステッドアプライアンスを理解するChapter4診断と治療計画Chapter3プリアジャステッドアプライアンスの基本

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