21世紀版 インプラントのための重要12キーワード ベスト240論文
3/8

プレゼンで使える、あの分類および文献CawoodとHowellの分類HämmerleとJungの分類Merliらによる下位分類Mischの骨質/骨密度の分類 Lekholm&Zarbによる抜歯後の骨形態の分類Lekholm&Zarbの骨質の分類Seibertの欠損部歯槽堤の分類SummersのオステオトームテクニックJensenのオステオトームサイナスフロアエレベーションAvilaらの抜歯基準(ミシガンチャート)日本歯周病学会による抜歯基準PET(partial extraction therapy:部分抜歯治療)分類MaynardとWilsonによる歯周組織の厚さの分類インプラント埋入後の初期安定性と二次安定性ITIコンセンサス会議による荷重プロトコルと埋入プロトコルの検証荷重プロトコルの用語定義Eichnerの分類宮地の咬合三角口腔内スキャナー(intraoral scanner:IOS)12345678910111213141516171819PAGE134PAGE135化し丸みを帯びた歯槽堤形態、十分な幅と高さがある。不十分。いわゆる「ナイフエッジ状」の残存歯槽堤。平坦な顎堤。化し丸みを帯びた歯槽堤形態、十分な幅と高さがある。不十分。いわゆる「ナイフエッジ状」の残存歯槽堤。平坦な顎堤。をともなう陥凹した顎堤。い、上下顎前歯部および臼歯部歯槽骨の水平・垂直的距離を計測より分類し、義歯補綴やその予後予測に有益なデータを提供した。とHowell(ハ上顎臼歯部におけるCawoodとHowellの分類。(オリジナルの6つの分類をMerliらは5つに分類している)分類。下顎臼歯部におけるCawoodとHowellの分類。(Merliらにより吸収形態一部改変)dとHowellの分類on of the edentulous jaws. Int J Oral Maxillofac Surg 1988;17(4):232-236.ed treatment plan. Chicago:Quintessence Publishing Co Inc, 2013.Ⅴmm252015105ⅡⅢⅣⅤⅥmm252015105ⅡⅢⅣⅥⅤプレゼンで使える、あの分類および文献Class 0:歯冠部位に最小の欠損しかなく、骨構造にほとんど変化がない。Class Ⅰ:無傷な骨壁をもつ抜歯窩。Class Ⅱ:骨壁に部分的な吸収がある抜歯窩。Class Ⅲ:唇(頬)側骨壁がほとんど吸収している抜歯窩。Class Ⅳ:水平的に欠損した歯槽堤形態。Class Ⅴ:水平・垂直的に欠損した歯槽堤形態。解説者コメント:一般的によく引用されているHämmerleとGlauser(グラウザー)の骨裂開の分類(2005年)のオリジナル論文。インプラントにおける診断が治療計画の指標として活用できる。2HämmerleとJungの分類出典  Hämmerle CH, Jung RE. Bone augmentation by means of barrier membranes. Periodontol 2000 2003;33:36-53.Merli M. Implant therapy: the integrated treatment plan. Chicago:Quintessence Publishing Co Inc, 2013.Hämmerle(ヘンメル)とJung(ユング)の分類。Class0ClassⅠClassⅡClassⅢClassⅣClassⅤBone graft135PAGE136PAGE138ClassⅠ:有歯顎堤(抜歯前)。ClassⅡ:抜歯後の歯槽堤形態。ClassⅡA:吸収が歯槽頂高さの25%未満。ClassⅡB:吸収が歯槽頂高さの25~50%の間。ClassⅡC:吸収が歯槽頂高さの50%超。ClassⅢ: 十分な幅と高さのある凸面の歯槽堤形態。ClassⅢA:歯槽骨の高さが10mm以上。ClassⅢB:歯槽骨の高さが7~9mm。ClassⅢC:歯槽骨の高さが4~6mm。ClassⅣ: 十分な高さはあるが、幅が不十分(4mm以下)なナイフエッジ状の歯槽堤。ClassⅣA:歯槽骨の高さが10mm以上。ClassⅣB:歯槽骨の高さが7~9mm。ClassⅣC:歯槽骨の高さが4~6mm。ClassⅤ:高さと幅が不十分の平坦な顎堤。ClassⅥ: 顎骨基底部が不揃いに吸収した凹面(コンケーブ状)の顎堤。下顎の高さは下顎管の歯冠側から計算される。3Merliらによる下位分類上顎前歯部におけるCawoodとHowellの分類ClassⅡのMerli(メルリ)らによる下位分類。(Salama H, Salama M. The role of orthodontic extrusive remodeling in the enhancement of soft and hard tissue profiles prior to implant placement: a systematic approach to the man-agement of extraction site defects. Int J Peri-odontics Restorative Dent 1993;13(4):312-333.)上顎臼歯部におけるCawoodとHowellの分類ClassⅢのMerliらによる下位分類。(Cawood JI, Howell RA. A classification of the edentulous jaws. Int J Oral Maxillofac Surg 1988;17(4):232-236.)上顎臼歯部におけるCawoodとHowellの分類ClassⅣの、Merliらによる下位分類。(Cawood JI, Howell RA. A classification of the edentulous jaws. Int J Oral Maxillofac Surg 1988;17(4):232-236.)mm252015105ⅡⅡBⅡCⅡAⅢⅣⅤmm252015105ⅡⅢA≧10mmⅢB7~9mmⅢC4~6mmⅢⅣⅤmm252015105ⅡⅢⅣⅤⅣA≧10mmⅣB7~9mmⅣC4~6mm136Bone graftMisch(ミッシュ)はドリルでの切削感を基に骨質を4つに分類した。さらにハンスフィールド値(CT値)によっても分類を明確にしている。解説者コメント:ハンスフィールド値は、CT装置の開発者(Godfrey N. Hounsfield)の名前に由来する。4Mischの骨質/骨密度の分類出典  Misch CE. Density of bone: eect on treatment plans, surgical approach, healing, and progressive bone loading. Int J Oral Implantol 1990;6(2):23-31.骨質(ハンスフィールド値:HU)特徴D1 (>1,250)・大部分が皮質骨・ドリル使用時の感触はカシ材またはカエデ材・10段階評価で9~10の骨強度・おもに下顎前歯部にみられるD2 (850~1,250)・皮質骨と骨梁の粗な海綿骨が歯槽頂に厚い層を形成している・ドリル使用時の感触はホワイトパイン材またはスプルース材・10段階評価で7~8の骨強度・下顎骨全体および上顎前歯部にみられるD3 (350~850)・歯槽頂部の皮質骨層が薄く、海綿骨骨梁が細い ・ドリル使用時の感触はバルサ材 ・10段階評価で3~4の骨強度(D2の50%程度)・おもに下顎臼歯部または上顎にみられるD4 (150~350)・大部分が骨梁の細い海綿骨 ・ドリル使用時の感触は発泡スチロール ・10段階評価で1~2の骨強度 ・おもに上顎臼歯部にみられるGBR138PAGE139PAGE139プレゼンで使える、あの分類および文献(1)顎骨の大部分が皮質骨により占められている。(2)中心の密度の高い海綿骨を厚い皮質骨が包囲している。(3)十分な強度を備えた、密度の高い海綿骨を薄い皮質骨が包囲している。(4)密度の低い海綿骨を薄い皮質骨が包囲している。解説者コメント:骨形態の分類同様、ブローネマルクシステムの1980年代からのX線像を用いた骨評価法。本来の骨質の定義と異なり、骨密度を表現したものである。骨形態の分類同様、もともと前歯部の顎骨について提唱されたものであったが、インプラント治療の適応症拡大、診査・診断技術の進歩などにより、現在では臼歯部を含め広く利用されるようになっている。(A)歯槽骨がほとんど残存している。(B)歯槽骨が中程度吸収している。(C) 歯槽骨がほとんど吸収し、基底骨のみが残存している。(D)基底骨が中程度吸収している。(E)基底骨がほとんど吸収している。解説者コメント:Lekholm(レクホルム)とZarb(ザーブ)の抜歯後の残存顎骨形態と骨吸収の程度による分類。点線は歯槽骨と顎骨とのおおよその境界を示す。56Lekholm&Zarbによる抜歯後の骨形態の分類Lekholm&Zarbの骨質の分類上顎形態:骨質:下顎ABCDE1234上顎形態:骨質:下顎ABCDE1234出典  Brånemark PI, Zarb GA, Albrektsson T. Tissue-Integrated Prostheses. Chicago:Quintessence, 1985.出典  Brånemark PI, Zarb GA, Albrektsson T. Tissue-Integrated Prostheses. Chicago:Quintessence, 1985.GBRGBR139より占められている。を厚い皮質骨が包囲している。度の高い海綿骨を薄い皮質骨が包囲している。皮質骨が包囲している。類同様、ブローネマルクシステムの1980年代からのX線像を用いた骨評なり、骨密度を表現したものである。前歯部の顎骨について提唱されたものであったが、インプラント治療のの進歩などにより、現在では臼歯部を含め広く利用されるようになって(A)歯槽骨がほとんど残存している。(B)歯槽骨が中程度吸収している。(C) 歯槽骨がほとんど吸収し、基底骨のみが残存している。(D)基底骨が中程度吸収している。(E)基底骨がほとんど吸収している。解説者コメント:Lekholm(レクホルム)とZarb(ザーブ)の抜歯後の残存顎骨形態と骨吸収の程度による分類。点線は歯槽骨と顎骨とのおおよその境界を示す。olm&Zarbの骨質の分類DE34顎顎BCDE234rektsson T. Tissue-Integrated Prostheses. Chicago:Quintessence, 1985.rektsson T. Tissue-Integrated Prostheses. Chicago:Quintessence, 1985.139PAGE140PAGE141プレゼンで使える、あの分類および文献ClassⅠ:歯槽堤の高さは正常であるが唇(頬)舌側的幅径が喪失している場合。ClassⅡ:歯槽堤の垂直的高径が喪失している場合。ClassⅢ:歯槽堤の垂直的高径および唇(頬)舌的幅径の両方が喪失している場合。解説者コメント:原著では限局的な欠損部歯槽堤の形態異常に対して遊離歯肉移植で形態修正を行っているが、現在ではこの分類を応用し、インプラント埋入のための骨造成や審美性改善のための軟組織移植の際の指標として用いられる。Seibert(シーバート)の分類は歯槽堤形態の分類であり、骨欠損形態の分類ではないことに注意されたい。7Seibertの欠損部歯槽堤の分類出典  Seibert JS. Reconstruction of deformed, partially edentulous ridges, using full thickness onlay grafts. Part I. Tech-nique and wound healing.Compend Contin Educ Dent 1983;4(5):437-453.(佐藤直志.インプラント周囲のティッシュ・マネージメント .東京:クインテッセンス出版,2001;15より)(木林博之.審美修復における欠損部歯槽堤への対応を検証する.第2回:形態異常に対する歯槽堤造成(ridge augmentation). the Quintessence 2013;32(11):163-176より)GBR140プレゼンで使える、あの分類および文献オステオトームによる上顎洞方向への骨の圧縮により、骨を突き上げ、上方に押し上げられた骨塊が上顎洞底を挙上するテクニックを報告。解説者コメント:Summers(サマーズ)オステオトームテクニックは、従来の切削の代わりに海綿骨を押し拡げてインプラント埋入窩を形成する方法である。さらに、この方法は上顎洞底の挙上にも応用することができる。Jensen(ジェンセン)は、上顎洞底部の骨を骨移植材料とともにオステオトームで槌打して移動させ、上顎洞底を挙上し、同時にインプラントを埋入するSimultaneous approachの方法を報告。解説者コメント:Rosenらによると、オステオトーム法において、既存骨が4mm以下になると生存率が下がるとされている。8Summersのオステオトームテクニック9Jensenのオステオトームサイナスフロアエレベーション出典  Summers RB. A new concept in maxillary implant surgery: the osteotome technique. Compendium 1994;15(2):152-162.出典  Jensen OT. Treatment planning for sinus grafts. In: Jensen OT(eds). The sinus bone graft. Chicago:Quintessence, 1999;49-68.Summers(1994)改変オステオトームが骨を突き上げ、上顎洞底を挙上形成窩への骨移植材料の充塡オステオトームで骨移植材料を圧接し、上顎洞底を押し上げるJensen(1999)改変フィクスチャーの埋入(佐藤直志.インプラント周囲のティッシュ・マネージメント.東京:クインテッセンス出版,2001;183より)(佐藤直志.インプラント周囲のティッシュ・マネージメント.東京:クインテッセンス出版,2001;183より)Sinus floor elevationSinus floor elevation141PAGE141PAGE142プレゼンで使える、あの分類および文献オステオトームによる上顎洞方向への骨の圧縮により、骨を突き上げ、上方に押し上げられた骨塊が上顎洞底を挙上するテクニックを報告。解説者コメント:Summers(サマーズ)オステオトームテクニックは、従来の切削の代わりに海綿骨を押し拡げてインプラント埋入窩を形成する方法である。さらに、この方法は上顎洞底の挙上にも応用することができる。Jensen(ジェンセン)は、上顎洞底部の骨を骨移植材料とともにオステオトームで槌打して移動させ、上顎洞底を挙上し、同時にインプラントを埋入するSimultaneous approachの方法を報告。解説者コメント:Rosenらによると、オステオトーム法において、既存骨が4mm以下になると生存率が下がるとされている。8Summersのオステオトームテクニック9Jensenのオステオトームサイナスフロアエレベーション出典  Summers RB. A new concept in maxillary implant surgery: the osteotome technique. Compendium 1994;15(2):152-162.出典  Jensen OT. Treatment planning for sinus grafts. In: Jensen OT(eds). The sinus bone graft. Chicago:Quintessence, 1999;49-68.Summers(1994)改変オステオトームが骨を突き上げ、上顎洞底を挙上形成窩への骨移植材料の充塡オステオトームで骨移植材料を圧接し、上顎洞底を押し上げるJensen(1999)改変フィクスチャーの埋入(佐藤直志.インプラント周囲のティッシュ・マネージメント.東京:クインテッセンス出版,2001;183より)(佐藤直志.インプラント周囲のティッシュ・マネージメント.東京:クインテッセンス出版,2001;183より)Sinus floor elevationSinus floor elevation141プレゼンで使える、あの分類および文献Avilaらの抜歯基準(ミシガンチャート)出典  Avila G, Galindo-Moreno P, Soehren S, Misch CE, Morelli T, Wang HL. A novel decision-making process for tooth retention or extraction. J Periodontol 2009;80(3):476-491.101st Level「最初の評価」、2nd Level「歯周疾患の重症度」、3rd Level「根分岐部病変」、4th Level「病因因子」、5th Level「修復因子」、6th Level「他の因子」の6段階に分け、さらにそれぞれ4~5項目について評価を行い、項目ごとに赤・黄・緑の判定をし、赤・黄が多い場合抜歯を推奨する。■が0個■が1個■が2個■が3個■が4個以上■が0個保存保存妥協的に保存保存を試みるが、経過によっては抜歯抜歯を考慮■が1個保存を試みるが、経過によっては抜歯保存を試みるが、経過によっては抜歯保存を試みるが、経過によっては抜歯抜歯を考慮抜歯を考慮■が2個記載なし抜歯を考慮抜歯抜歯抜歯■が3個以上抜歯抜歯抜歯抜歯抜歯1st Level最初の評価2nd Level歯周疾患の重症度3rd Level根分岐部病変不平不満相応に強い骨欠損状態深く, 狭い囲繞型, 広い患者の要望保存希望抜歯希望PPD< 5 mm> 7 mm5~7 mm分類Class ⅠClass ⅢClass Ⅱ治療への期待短期間長期間動揺度0 or 132分岐部が隣接面の骨レベルと比べ高い低い同じ治療費制限あり余裕あり骨欠損< 30 %> 65 %30~60 %根分割、治療費の問題なしあり審美非条件必要アブセスNoYes根形態良い悪いSocket preservation142PAGE143PAGE144プレゼンで使える、あの分類および文献解説者コメント:本基準はミシガンチャートとも呼ばれる。多因子に影響される抜歯基準を明確にわかりやすく分類し、1歯ごとの状態を客観的に捉えることができる。しかし、個々の治療期間の違いや最終補綴に対する考慮がされておらず、初診時でこのチャートに沿って判断すると抜歯の確率が上がるように思われる。解説者コメント:歯周病が原因で抜歯に至ることが多いが、歯周病罹患歯を積極的に抜去しインプラント治療を行った場合と保存的治療を行った場合の口腔機能回復の改善に対して、明確な違いを証明する研究がなく、抜歯か保存かはその都度、患者とよく話し合う必要がある。1. 対症療法を行っても、過度の動揺により痛くて咬めない結果、回避性咀嚼を行ってしまう場合2. 十分なデブライドメントができない、あるいは暫間固定ができないほど進行した歯周炎3. 治療中頻繁に急性膿瘍が生じ、広範囲の歯周組織破壊の原因となる可能性がある場合4. どのような治療計画を立案したときにも、利用価値が見出せない場合1.臼歯部の咬合高径を維持している場合  → プロビジョナルレストレーションによって置き換えられた後に抜歯2. 臼歯部の咬合高径を維持しており、かつ隣接領域にインプラントを埋入した後も機能している場合  → インプラントの上部構造が装着された後に抜歯3.隣接領域の歯周外科を予定している場合  → 予後不良歯は、隣在歯の歯周外科治療と同時に抜去表1 歯周治療初期における抜歯の判断基準表2  暫間的に保存し、歯周治療後期に抜歯を行うための判断基準日本歯周病学会による抜歯基準出典  日本歯周病学会編.歯周病患者におけるインプラント治療の指針2008.日本歯周病学会,2009;2-3.115th Level修復因子6th Level他の因子4th Level病因因子不良修復物や破折はあるか?補綴なし補綴あり喫煙非喫煙喫煙歯石は存在するか?NoYes歯根歯冠比適切不適切1:1全身状態問題ない治療下歯周外科が骨量を減少させるか?NoYesポストコアが必要か?不必要必要術者の技量十分不十分根近接NoYes根管治療治療成功または治療不要治療失敗進行したカリエスなしありBP製剤の使用なし経口歯周再生治療No難治療再発Socket preservation143プレゼンで使える、あの分類および文献PET(partial extraction therapy, 部分抜歯治療)分類12出典  Gluckman H, Salama M, Du Toit J. Partial Extraction Therapies (PET) Part 1: Maintaining Alveolar Ridge Contour at Pontic and Immediate Implant Sites. In:PRD YEARBOOK 2017. 東京:クインテッセンス出版,2017.Socket preservationPET分類(出典より、部分抜歯治療(PET)とそれらの適応症改変)部分抜歯治療(PET)正面観の透過図矢状面断(赤線での断面)抜歯窩中央部水平断(青線での断面)術式適応すべき臨床的状態天然歯を利用した、主にポンティック部の歯槽堤形態の維持ポンティックシールドテクニック(Gluckman H, Du Toit J, Salama M. The Pontic-Shield: Partial Extraction Therapy for Ridge Preservation and Pontic Site Development. Int J Periodontics Restorative Dent. 2016;36(3):417-23. )部分的抜歯(歯根片保存)+骨補填材料・修復不可能な歯冠もしくは抜歯適応歯・根尖病変があるもしくはない歯根・歯槽堤の保存を意図・固定性補綴装置のポンティック部位が計画されている・ 2本の隣接するインプラントの代替治療としてのカンチレバーのポンティック部位・別のPETとともに行うリッジプリザベーションルートサブマージェンステクニック(Salama M, Ishikawa T, Salama H, Funato A, Garber D. Advantages of the root submergence technique for pontic site development in esthetic implant therapy.Int J Periodontics Restorative Dent. 2007;27(6):521-7.)歯冠除去(歯根保存)・修復不可能な歯冠もしくは抜歯適応歯・根尖病変ではない・断髄治療もしくは根管治療が済んでいる・歯槽堤の保存を意図・総義歯もしくは部分床義歯が計画されている・固定性補綴装置のポンティック部位が計画されている・ 2本の隣接するインプラントの代替治療としてのカンチレバーのポンティック部位・のちにインプラント治療を計画している成長過程の若年患者・別のPETとともに行うリッジプリザベーション天然歯を利用した、主に抜歯後即時インプラント埋入における歯槽堤形態の維持ソケットシールドテクニック*(ルートメンブレンテクニック)(Hürzeler MB, Zuhr O, Schupbach P, Rebele SF, Emmanouilidis N, Fickl S. J Clin Periodontol. 2010 Sep;37(9):855-62. The socket-shield technique: a proof-of-principle report.)部分的抜歯(唇側歯根片保存)+インプラント埋入・修復不可能な歯冠もしくは抜歯適応歯・根尖病変があるもしくはない歯根・歯槽堤の保存、特に頬側と口蓋側の骨吸収を防止するため・インプラントの即時埋入・別のPETとともに行うリッジプリザベーションプロキシマルソケットシールドテクニック(Kan JY, Rungcharassaeng K. Proximal socket shield for interimplant papilla preservation in the esthetic zone. Int J Periodontics Restorative Dent 2013;33(1):e24-31.)部分的抜歯(近遠心歯根片保存)+インプラント埋入・修復不可能な歯冠もしくは抜歯適応歯・根尖病変があるもしくはない歯根・乳頭組織の保存を意図・隣接する2本以上のインプラントの即時埋入・別のPETとともに行う乳頭組織プリザベーション歯根片残根歯根片インプラントインプラント骨補填材料歯根片144PAGE146PAGE147歯肉歯槽粘膜の問題を引き起こす要因の一つとして歯周組織の厚さが関連するとの考えから、歯周組織の厚さを、唇側歯槽骨の厚さと角化歯肉の量によりType1から4の4つに分類したもの。Type4がもっとも問題を生じやすいとされる。解説者コメント:Maynard(メイナード)とWilson(ウィルソン)の本オリジナル論文は小児の下顎前歯唇側における分類であるが、現在では成人の審美修復治療前の難易度分類に広く適用されている。13MaynardとWilsonによる歯周組織の厚さの分類出典  Maynard JG, Wilson RD. Diagnosis and management of mucogingival problems in children. Dent Clin North Am 1980; 24: 683-703. 唇側歯槽骨の厚さおよび角化歯肉の量ともに十分である。Type1唇側歯槽骨の厚さは十分であるが、角化歯肉量は不十分である(2mm未満)。Type2唇側歯槽骨の厚さおよび角化歯肉の量ともに不十分である。Type4唇側歯槽骨の厚さは薄いが、角化歯肉の量は十分である。Type3Immediate implant placement146プレゼンで使える、あの分類および文献時間(週)安全性(%)100705020012345678Stability dip(不安定)Total stabilitySecondary stability二次安定性(新生骨)Primary stability初期安定性(母床骨)プレゼンで使える、あの分類および文献一般的に、インプラントを埋入後初期安定性(既存骨による)は徐々に失われていき、それと並行して二次安定性(新生骨による)が徐々に増加していく。その曲線の交差した点の上方(赤色の線)がトータルの安定性(Total stability)を示す。約3週後にもっとも不安定な時期(Stability dip)を迎える。解説コメント:多くのインプラントメーカーは、二次安定性のスピードを上げることで、インプラント埋入後の不安定な時期(Stability dip)を縮めようと表面性状の改良を重ねている。14出典  Raghavendra S, Wood MC, Taylor TD. Early wound healing around endosseous implants: a review of the literature. Int J Oral Maxillofac Implants 2005;20(3): 425‐431.インプラント埋入後の初期安定性と二次安定性Immediate functional loading147PAGE148PAGE149プレゼンで使える、あの分類および文献SCV(scientifically and clinically validated):科学的にも臨床的にも完全に実証された(深緑)、CWD(clinically well documented):臨床的に十分検証された(薄緑)、CD(clinically document-ed):臨床的に検証された(黄)、CID(clinically insufficiently documented):臨床的に検証が不十分(赤)。解説者コメント:第4回ITIコンセンサス会議では、荷重プロトコルの部位別、補綴装置別の検証が行われ、第6回ITIコンセンサス会議では、荷重プロトコルの埋入時期別の検証が行われた。埋入プロトコルのType2は軟組織治癒時、Type3は骨の部分治癒時である。ITIコンセンサス会議による荷重プロトコルと埋入プロトコルの検証出典  Wismeijer D, Casentini P, Gallucci G, Chiapasco M. ITI Treatment Guide, Volume 4: Loading Protocols in Implant Dentistry: Edentulous Patients. Berlin: Quintessence 2010: 6.15-荷重プロトコル-出典  Gallucci GO, Hamilton A, Zhou W, Buser D, Chen S. Implant placement and loading protocols in partially edentulous patients: A systematic review. Clin Oral Implants Res 2018;29 Suppl 16:106-134. -埋入プロトコルと荷重プロトコル-埋入プロトコルType 1:即時埋入(抜歯時に埋入)Type 2-3:早期埋入(抜歯後4~16週時に埋入)Type 4:遅延埋入(抜歯後6ヵ月以上経過時に埋入)Type A即時修復/即時荷重CDCIDCDType B早期荷重CDCIDSCVType C通常荷重SCVSCVSCV荷重プロトコル補綴装置可撤性固定性上顎下顎上顎下顎通常荷重(Conventional loading)CWDSCVSCVCWD早期荷重(Early loading)CDCWDCDCD即時荷重(Immediate loading)CIDCWDCWDCWD抜歯後即時埋入、即時荷重CIDCIDCDCID荷重プロトコルImmediate functional loading148プレゼンで使える、あの分類および文献解説者コメント:現在使用されているCochrane(コクラン)の定義は従前の定義を包括している。出典  Wismeijer D, Casentini P, Gallucci G, Chiapasco M. ITI Treatment Guide, Volume 4: Loading Protocols in Implant Dentistry: Edentulous Patients. Berlin: Quintessence 2010: 7.即時荷重(Immediate loading)早期荷重(Early loading)通常荷重(Conventional loading)遅延荷重(Delayed load-ing)用語解説バルセロナ コンセンサス2002<24時間>24時間<3~6ヵ月3~6ヵ月>3~6ヵ月非咬合性荷重:中心咬合位で咬合接触を付与させない修復ITIコンセンサス2003<48時間>48時間<3ヵ月3~6ヵ月>3~6ヵ月即時修復:咬合接触を付与させない即時荷重European Association of Osseointegra-tion 2006<72時間―>3ヵ月(下顎)>6ヵ月(上顎)>3~6ヵ月即時修復もしくは非機能即時荷重は、インプラント埋入後72時間以内の咬合接触を付与させない修復と定義されるCochrane システマティックレビュー2007<1週間>1週間<2ヵ月>2ヵ月―即時荷重は咬合接触の有無を問わない荷重プロトコルの用語定義16149Immediate functional loadingPAGE150PAGE151プレゼンで使える、あの分類および文献Eichner(アイヒナー)による欠損歯列の補綴学的分類。解説者コメント:Eichnerが考案した、欠損歯列の現存歯の位置よりも、三次元的に現存歯の対合接触域(咬合支持域)に着目した欠損歯列の分類。左右の小臼歯群および大臼歯群の4つの咬合支持域において、それぞれに対合接触が存在するかどうかにより、A、B、Cの3群に分類される。17Eichnerの分類出典  Eichner K.Über eine Gruppeneinteilung der Lückengebisse für die Prothetik.Dtsch zähnarztl Z 1955;10:1831-1834.C:上下顎歯列の対合接触なしC1:対合接触のない上下顎残存歯列C2:片顎無歯顎に対する一部残存歯列C3:上下無歯顎グループ C1グループ C2グループ C3B4:上下顎臼歯部以外での対合接触B:部分的対合接触(4支持域以外)B1:3臼歯部対合接触B2:2臼歯部対合接触B3:1臼歯部対合接触グループ B1グループ B2グループ B3グループ B4A:上下全歯列での対合接触(4支持域における)A1:上下顎有歯列、一部歯冠崩壊を有するが修復可能A2:片顎有歯列、対合歯列に中間欠損A3:上下顎部分的欠損歯列、4支持域での対合接触グループ A1グループ A2グループ A31243Immediate functional loading150プレゼンで使える、あの分類および文献「咬合支持数」と「現存歯数」から、「欠損歯列」を4つのエリア(咬合欠損エリア、咬合欠陥エリア、咬合崩壊エリア、咬合消失エリア)に分けて、評価・スクリーニングする方法。解説者コメント:宮地が1981年に発表した欠損歯列の分類。欠損歯列の病態レベルを評価するのにすぐれる。X軸は上下顎の合計歯数(28~0歯)、Y軸は咬合支持数(14~0ヵ所)を表す。合計歯数と咬合支持数により第1(咬合欠損)エリア、第2(咬合欠陥)エリア、第3(咬合崩壊)エリア、第4(咬合消失)エリアの4つのエリアに分割される。具体的な例を下記に示す(症例a、b、c)。宮地の咬合三角出典  本多正明,宮地建夫,伊藤雄策,武田孝之,編著.見る目が変わる!「欠損歯列」の読み方,「欠損補綴」の設計.東京:クインテッセンス出版,2013.症例a 第2(咬合欠陥)エリア7×543211234×××20歯現存・咬合支持7××543××1234567症例b 第3(咬合崩壊)エリア7654×××××××56×15歯現存・咬合支持2×××432112345××症例c 第4(咬合消失)エリア×××××××××××5×76歯現存・咬合支持0××××32××23××××18Immediate functional loading15114第1(咬合欠損)エリア  ……少数歯欠損(安定群)現存歯数咬合支持数第3(咬合崩壊)エリア ……多数歯欠損   (すれ違い、難症例を含む)第4(咬合消失)エリア……少数歯残存    (準安定群)第2(咬合欠陥)エリア  ……多数歯欠損    (咬合支持5~6はリスク高エリア)23282018131090105490PAGE152プレゼンで使える、あの分類および文献口腔内スキャナー(intraoral scanner:IOS)出典  institute of Digital Dentistry. Review of the Intraoral Scanners at IDS 2019.(https://instituteofdigitaldentistry.com/ids-2019/review-of-the-intra-oral-scanners-at-ids-2019/)SCANNER①スキャン速度②スキャンフロー③スキャナーサイズ④使いやすさ⑤価格/投資コスト⑥定期保守料⑦オートクレーブ対応⑧タッチスクリーン⑨ワイヤレススキャナー⑩う蝕検出⑪CADソフト3ShapeTrios454.534.5$$$必須◯150回/1チップ◯◯◯透過光と蛍光◯総合的Dentsply ShironaPrimescam5515$$$$$必須ではない。強く推奨される年間ケアプランあり◯3種類の選択肢あり◯××◯総合的PlanmecaEmerald S4444$$$なし◯300回/1チップ外部タッチパネルへのUSB接続が必要×◯透過光のみ◯総合的Mediti5004.54.544$クラウドストレージは20GBを超えると費用発生◯20回/1チップ外部タッチパネルへのUSB接続が必要×××スキャンのみAlign iTero Element 5D3.5413$$$$必須使い捨て非ACチップのみ◯×◯近赤外画像×スキャンのみCarestreamCS37003334$$$なし。強く推奨されるケアプランあり(CS Advantage)◯60回/1チップ外部タッチパネルへのUSB接続が必要××◯簡略的Dental WingsVirtuo Vivo3454$$必須◯250回/1チップ◯××◯簡略的GCAadva IOS 2001232$$なし◯250回/1チップ外部タッチパネルへのUSB接続が必要××◯簡略的VatechEzScan3353$なし◯外部タッチパネルへのUSB接続が必要×××Shining 3DAoralscan2132$なし◯外部タッチパネルへのUSB接続が必要×××19各項目の詳細と評価基準①スキャン速度(5:もっとも速い/1:もっとも遅い):フルアーチスキャン時のスキャナー速度の相対評価。ほとんどのスキャナーは1分以内に行うことが可能。② スキャンフロー(5:円滑なスキャン/1:粗野なスキャン):スピード以外の追加項目。位置確認の遅れや前・臼歯部等の彎曲部での連続処理、またスキャンが一時中断した場合の再認識などについて評価。③ スキャナーサイズ(5:もっとも快適/1:もっとも快適でない):スキャナヘッドサイズとシステム全体のサイズや重量。全※ 本表は2019年IDS(ケルン国際デンタルショー)時における出典元による評価であり、最新の情報とは異なる場合があります。Computerguided surgery

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る