21世紀版 インプラントのための重要12キーワード ベスト240論文
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McGillコンセンサスインプラントオーバーデンチャー設計変更必要度レベル評価インプラント治療の成功基準の変遷血小板由来増殖因子天然歯とインプラントの生物学的幅径天然歯とインプラントにおける軟組織の生物学的縦横比 ピンクエステティックスコア(PES)& ホワイトエステティックスコア(WES)Koisのインプラント審美のための5つの診断基準Salamaの歯間乳頭様組織の形成可能距離Kanの歯肉のバイオタイプTarnowのインプラント間距離Saadounのインプラント隣接乳頭の再生可能距離Hermannのインプラント周囲骨のリモデリングLazzaraのプラットフォームスイッチングLangのCIST(累積的防御療法)Schwarzのインプラント周囲炎の治療手順ペリオの新分類インプラント周囲疾患の新分類Renvertの骨欠損形態と術式選択の分類20212223242526272829303132333435363738PAGE154PAGE155プレゼンで使える、あの分類および文献2002年にカナダのMcGill(マギル)大学にて科学者と臨床エキスパートにより、無歯顎患者の治療における下顎インプラント2本オーバーデンチャーの有効性について検討され提唱されたコンセンサス。解説者コメント:下顎インプラント2本のオーバーデンチャーにおいて、インプラントの生存率が下顎前歯域において非常に高く、外科的な合併症の発生率が非常に低いこと、下顎前歯域の残存顎堤の吸収をインプラントが抑えること、使用するアタッチメントシステムの種類にかかわらず(バー、ボール、マグネット)従来デンチャーよりも高い満足度を示し生活の質の評価が有意に高いこと、治療費が抑えられることなどが報告された。そして、総義歯が無歯顎患者に対する伝統的な標準治療とされてきたが、今日では、インプラント2本のオーバーデンチャーが下顎無歯顎に対する第一選択の治療法になるべきというエビデンスがあることが示された。20McGillコンセンサス出典  Feine JS, Carlsson GE, Awad MA, Chehade A, Duncan WJ, Gizani S, Head T, Lund JP, MacEntee M, Mericske-Stern R, Mojon P, Morais J, Naert I, Payne AG, Penrod J, Stoker GT, Tawse-Smith A, Taylor TD, Thomason JM, Thomson WM, Wismeijer D. The McGill consensus statement on overdentures. Mandibular two-implant overden-tures as rst choice standard of care for edentulous patients. Montreal, Quebec, May 24-25, 2002. Int J Oral Maxil-lofac Implants 2002;17(4):601‐602.154Overdentureプレゼンで使える、あの分類および文献インプラントオーバーデンチャー設計変更必要度レベル評価(Tanakaのレベル評価)。解説者コメント:高齢化にともない口腔衛生が難しくなるなど、ある時期をみて固定性インプラント補綴をインプラントオーバーデンチャーに設計変更することが望まれることがあるが、その必要度のレベル評価。本人や家族へのインフォームドコンセントにも有用。出典  田中譲治.インプラントオーバーデンチャーの基本と臨床.東京:医歯薬出版,2012:112‐117.インプラントオーバーデンチャー設計変更必要度レベル評価21レベルⅠレベルⅡレベルⅢレベルⅣスコア合計10~1415~1920~2425~30評 価設計変更の検討が必要設計変更が望ましい設計変更を推奨設計変更が必要※各スコア(1~5)の合計によりレベル度が4段階で評価される。実際には、これに年齢と予想される介護者の協力度を加味して判定。項目2「顎堤吸収度」を「咬合支持数」とすることで、クラスプなどによる多数歯欠損に対して天然歯支台オーバーデンチャーへの設計変更評価にも使用できる。1.口腔衛生(舌や口腔周囲を含む)  不良 5 1 良2.顎堤吸収度(天然歯の場合は咬合支持数)  高度 5 ←  中程度  → 1 軽度 (顎堤吸収度) 少ない 5 1 多い (咬合支持数)3.手の不自由さ(巧緻性低下)  あり 5 1 なし4.口腔機能(含・嚥下など)  低下あり 5 1 問題なし5.認知・理解能力不足  傾向あり 5 1 傾向なし6.ADL(日常生活動作)  問題あり 5 1 問題なしOverdenture155PAGE156PAGE157プレゼンで使える、あの分類および文献1978年のNIH(National Institutes of Health) ハーバード会議にて、インプラント成功基準が提唱された。1986年に、Albrektsson(アレブレックソン)らがインプラント成功の基準として、JOMIに報告した。1998年にカナダのトロント大学で開かれたシンポジウムにて、インプラントの成功基準として提唱された。22インプラント治療の成功基準の変遷出典  National Institutes of Health.Dental Implants: Benefit and Risk: Proceedings of an NIH-Harvard Consensus De-velopment Conference Held at Harvard School of Den-tal Medicine 1978 13-14;1(3):13-19.出典  Albrektsson T, Zarb G, Worthington P, Eriksson AR.The long-term efficacy of currently used dental implants: a review and pro-posed criteria of success.Int J Oral Maxillofac Implants 1986;1(1):11-25.出典  Albrektsson T, Zarb GA.Determinants of cor-rect clinical reporting.Int J Prosthodont 1998;11(5): 517-521.NIHハーバード会議(1978)Albrektssonらの成功基準(1986)トロント会議(1998)① あらゆる方向からの動揺は1mm未満である。② X線学的に観察される透過像は成功基準にならない。③ 骨吸収がインプラントの垂直的な高さの1/3以下である。④ 歯肉の炎症に対する治療が行われている。病状や感染がない、隣在歯に損傷がない、下顎管または上顎洞や鼻腔底における、知覚異常、知覚麻痺、破壊がない。⑤ 症例の75 %においてインプラントが5年間機能していることが成功の最低基準である。① 臨床検査時に、個々の連結されていないインプラントが動揺しない。② X線検査で、インプラント周囲にX線透過像の形跡が認められない。③ インプラント体埋入の1年後以降から、垂直方向の骨吸収量が年0.2mm未満である。④ 個々のインプラントに、疼痛、感染、神経麻痺、知覚異常、下顎管損傷などの、持続性または不可逆的な兆候や症状がない。⑤ 上記の基準において、5年後に85%、10年後に80%の成功率が成功の最低基準である。① インプラントが、患者と歯科医師の両方が満足する、機能的および審美的な上部構造をよく支持している。② インプラントに起因する痛み、不快感、知覚の変化、感染がない。③ 臨床検査時に、個々の連結されていないインプラントが動揺しない。④ 機能後1年以降の経年的なインプラント周囲の垂直的骨吸収が、0.2 mm 未満である。Implant surface156解説者コメント:1998年にマイアミ大学のRobert Marks(ロバートマークス)教授らが創傷治癒促進のためにPRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)を歯科に応用した。その後代表的なものとして、1999年にスペインのAnitua(アニチュア)によるPRGF、2001年にフランスのChoukuron(シュクロン)によるPRF、2006年にイタリアのSacco(サッコ)によるCGF、2010年には中国の黄によるAFGが開発、施行された。2014年、厚生労働省の「再生医療等の安全性確保法および薬事法一部改正案」により、自家血液由来成長因子の複雑な届出が必要となり、医療機関にとってハードルが高くなってきたが、現状では多くの医療機関で実施されている。血小板由来増殖因子出典  皆川 仁.大特集 成功している再生療法 ─何を、どう使っていたか?─成長因子 外科手術における成長因子(CGF/AFG)の採取方法および臨床応用.Quintessence DENT Implantol 2014; 21(3): 32-37.23血小板由来増殖因子国内で使用されている遠心分離機名遠心分離の時間と回転数抗凝固剤遠心分離回数白血球時間回転数(rpm)PRP(Platelet-rich Plasma: 多血小板血漿)テーブルトップ遠心機24201回目クエン酸ナトリウムダブルスピンあり(L-PRPの場合)6分2,500回2回目8分2,300回PRGF(Plasma Rich in Growth Factors: 多血漿成長因子)BTI社製遠心分離機8分1,800回クエン酸ナトリウムシングルスピンなしCGF(Concentrated Growth Factors: 濃縮成長因子)メディフュージ13分2,400~3,000回なしシングルスピンありPRF(Platelet Rich Fibrin: 濃縮血小板)テーブルトップ遠心機10分1,600回なしシングルスピンありImplant surface157プレゼンで使える、あの分類および文献PAGE158PAGE159プレゼンで使える、あの分類および文献解説者コメント:生物学的幅径とは、天然歯の正常な歯周組織における、付着歯肉の幅(左上図における上皮性付着(JE)と結合組織性付着(CTC)の和:約2mm)をいう。歯肉縁下う蝕や補綴物マージンの位置などにより侵襲されると、歯肉の炎症や歯槽骨吸収を引き起こすとされる。臨床的には約1 mmの結合組織性付着幅は安定しているが、上皮性付着の幅は個体差が大きい(左上図)。そして、インプラント周囲にも生物学的幅径は存在するとされる。インプラントが口腔内に露出後、インプラント周囲溝の深さ、JEおよびCTCは変化するが(埋入後3ヵ月負荷なし、負荷3ヵ月、負荷12ヵ月)、形成された生物学的幅径は安定しており、約3mmの幅を維持している(右上図)。本研究では1回法インプラントが用いられているが、2回法インプラントの場合には二次手術後に生物学的幅径が形成される。2019年Biological widthはSupracrestal tissue attachment に用語変更された。24天然歯とインプラントの生物学的幅径SDJECTCBW歯肉溝上皮性付着0.69mm0.97mm1.07mm結合組織性付着Biologicwidth2.04mmインプラント周囲の生物学的幅径(イヌn=6 69本の1回法インプラント)SD:歯肉溝の深さ、JE:上皮性付着の幅、CTC:結合組織性付着の幅Gargiulo(ガルジウロ)らCochran(コクラン)らBW:生物学的幅径=上皮性付着+結合組織性付着ただし、歯肉溝の深さを含めることもある。天然歯の生物学的幅径(ヒト n=30 287歯 325歯面)(mm)0.690.971.072.04SDJECTCBWBW:生物学的幅径(粘膜頂部から骨-インプラント接触点までの距離)   =SD+JE+CTCSD:インプラント周囲溝の深さ、JE:接合上皮の幅、CTC:結合組織の幅埋入後3ヵ月負荷なし(mm)負荷3ヵ月負荷12ヵ月SDJECTCBW0.49±0.321.16±0.471.36±0.643.01±0.740.50±0.301.44±0.411.01±0.322.94±0.590.16±0.141.88±0.811.05±0.383.08±0.78出典1  Gargiulo AW, Wentz FM, Orban B. Dimensions and relations of the dentogingival junction in humans. J Periodon-tol 1961;32:261-267.出典2  Cochran DL, Hermann JS, Schenk RK, Higginbottom FL, Buser D. Biologic width around titanium implants. A histometric analysis of the implanto-gingival junction around unloaded and loaded nonsubmerged implants in the canine mandible. J Periodontol 1997;68(2):186-198.出典3  G Caton J, Armitage G, Berglundh T, Chapple ILC, Jepsen S, S Kornman K, L Mealey B, Papapanou PN, Sanz M, S Tonetti M. A new classication scheme for periodontal and peri-implant diseases and conditions - Introduction and key changes from the 1999 classication. J Clin Periodontol. 2018 Jun;45 Suppl 20:S1-S8.papilla158プレゼンで使える、あの分類および文献野澤、榎本らは天然歯における Wennström(ウェンストローム)らの仮説(天然歯周囲歯肉の高さと幅との関係はおよそ1.5:1である)と同様に、インプラント周囲粘膜の高さと幅との間には密接な関係があり、それらの比率はおよそ1:1.5であるとする仮説を提唱した。解説者コメント:生物学的縦横比が一定であることにより、審美修復に際しては厚いバイオタイプのほうが歯肉あるいは粘膜の高さを維持するのに有利である。特にインプラント治療においては、粘膜の高さを維持するため、幅径を増大させるための結合組織移植あるいはPlatform Shiftingの応用は有効であろう。25天然歯とインプラントにおける軟組織の生物学的縦横比出典  野澤 健,榎本紘昭,鶴巻春三,倉嶋敏明,杉山貴彦,渡邉文彦,伊藤公一.生物学的比率の概念に基づくインプラント周囲組織のマネージメント.長期的臨床データから導き出した予知性向上への提言.Quintessence DENT Implantol 2006;13(2):11-27.歯肉の高さと幅の比率は、1.5:1であり、矯正によって歯を舌側に移動させ、歯肉の高さが変わってもその比率は変わらない。(Wennström JL. Mucogingival considerations in orthodontic treatment. Seminars in Orthodontics 1996;2:46-54.)インプラント頬側縁上粘膜(b-cを結んだラインより上部)の生物学的比率。高さと幅の比率の平均はおよそ1:1.5である。(Nozawa T, Enomoto H, Tsurumaki S, Ito K. Biologic height-width ratio of the buccal supra-implant mucosa.Eur J Esthet Dent 2006;1(3):208-214.)天然歯インプラントPapilla159PAGE160PAGE161プレゼンで使える、あの分類および文献ピンクエステティックスコア(Pink Esthetic Score: PES)は単独インプラント周囲の軟組織評価において高い再現性を示した。それゆえ、異なる外科的または補綴的手法による治療効果を客観的に評価することが可能である。矯正医の評価は他の診査医よりも明らかに厳しかった。解説者コメント:PESとホワイトエステティックスコア(White Esthetic Score: WES)は、前歯部単独歯欠損において、最適な審美的インプラント修復を行うために提案した歯冠・歯肉の各種評価項目である。これらの項目はインプラント修復に限らず矯正や外科的治療も含め、審美性を向上させるための1つの指標となっている。評価者の専門性の影響も別の評価項目であった。ピンクエステティックスコア &ホワイトエステティックスコア出典1  Belser UC, Grütter L, Vailati F, Bornstein MM, Weber HP, Buser D. Outcome evaluation of early placed maxillary anterior single-tooth implants using objective esthetic criteria: a cross-sectional, retrospective study in 45 patients with a 2- to 4-year follow-up using pink and white esthetic scores. J Periodontol 2009;80(1):140-151.出典2  Fürhauser R, Florescu D, Benesch T, Haas R, Mailath G, Watzek G. Evaluation of soft tissue around single-tooth implant crowns: the pink esthetic score. Clin Oral Implants Res 2005;16(6):639-644.出典3  中田光太郎, 木林博之(監著). 岡田素平太, 奥野幾久, 小田師巳, 尾野 誠 , 園山 亘, 都築 優治, 山羽 徹(著). エビデンスに基づいた ペリオドンタルプラスティックサージェリー イラストで見る拡大視野での臨床テクニック. 東京:クインテッセンス出版, 2016.出典4  Lanza A, Di Francesco F, De Marco G, Femiano F, Itro A. Clinical Application of the PES/WES Index on Natural Teeth: Case Report and Literature Review. Case Rep Dent 2017;2017:9659062.26図表は出典3より引用・改変②③④⑤⑥⑦①ⒶⒷⒸ~ⒺPES点数WES点数①:近心乳頭0/1/2Ⓐ :歯の形態0/1/2②:遠心乳頭0/1/2Ⓑ : サイズ(アウトライン) /ボリューム0/1/2③: 唇面の粘膜の湾曲度0/1/2ⓒ :色(色相/値)0/1/2④: 唇面の粘膜レベル0/1/2Ⓓ :表面の質感0/1/2⑤~⑦: ルート凸/ 軟組織の色と質感0/1/2Ⓔ : 透明性/特徴付け0/1/2Maximum Score10Maximum Score10PES4)ParameterAbsentIncompleteComplete(i) Mesial papilla(近心乳頭)012(ii) Distal papilla(遠心乳頭)012Parameter MajordiscrepancyMinordiscrepancyNodiscrepancy(iii) Curvature of facial mucosa (唇面の粘膜の湾曲度)012(iv) Level of facial mucosa (唇面の粘膜レベル)012(v) Root convexity/soft tissue color and texture (ルート凸/軟組織の色と質感)012Maximum total PES score 10WES4)ParameterMajor discrepancyMinor discrepancyNo discrepancy(i) Tooth form(歯の形態)012(ii) Tooth volume/outline(サイズ(アウトライン)/ボリューム)012(iii) Color (hue/value) (色(色相/値))012(iv) Surface texture(表面の質感)012(v) Translucency(透明性/特徴付け)012Maximum total WES score 10Papilla160プレゼンで使える、あの分類および文献Kois(コイス)が2001年に提唱した、単独歯インプラント周囲において予知性の高い審美性を得るための5つの診断基準(Kois’s five diagnostic keys)。治療の難易度や審美障害のリスクを判断:①~⑤① 抜歯対象歯の相対的な位置関係:抜歯対象歯の辺縁歯肉が隣在歯と比較してより歯冠側に位置していることが望ましく、通常の位置であったり、根尖側に位置していると審美障害が生じやすくなる。② 歯肉形態:乳頭歯肉と歯肉辺縁との距離が大きいほど「high scallop」とされ、抜歯後の審美障害のリスクが高い順に「high」、「normal」、「flat」に分類される。③ 歯肉のバイオタイプ:「thin」と「thick」に分類される。thinタイプのほうが唇側に歯肉退縮を生じるリスクが高い。④ 歯牙形態:歯肉退縮、ブラックトライアングルの生じるリスクが高い順に「triangular(三角形)」、「ovoid(卵円形)」、「square(四角形)」と分類される。⑤ 骨頂の位置:遊離歯肉から歯槽骨頂までの垂直的距離が大きいほど「low crest」とされ、歯肉退縮のリスクが高い順に「low」、「normal」、「high」と分類される。27Koisのインプラント審美のための5つの診断基準出典  Kois JC. Predictable single tooth peri-implant esthetics: ve diagnostic keys. Compend Contin Educ Dent 2001;22(3):199-206.調和のとれた歯肉形態における歯肉辺縁からインプラントショルダーまでの距離は約3~4 mm、乳頭歯肉頂から骨頂までの距離は約4 mmである。審美的な結果を得るため、術前に5つの診断基準を用いて確実に診断することが重要である。More Likely to beFavorableOUTCOMEMore Likely to beUnfavorableMore coronal or LingualHigh CrestFlap ScallopThickSquareLow RiskTooth Position/ FGM11Gingival Form22Biotype33Tooth shape44Osseous CrestPosition55Five Diagnostic KeysMore Apical or FacialLow CrestHigh ScallopThinTriangularHigh RiskPapilla161PAGE162PAGE163隣接する各修復物における歯間乳頭様組織の形成可能距離。Salama(サローマ)らは、天プラント間1.5mmで4.5mm、インプラント-インプラント間3mmで3.5mmが垂直的に軟組織量としている。ポンティックを利用することで形成可能距離を増やすことができる解説者コメント:一般的にいうインプラント間距離3mmルールの走りである。このあとらがインプラント間距離についての論文を発表しはじめる。本項目を考える上で重要なンプラントの生物学的幅径の違いは、P.158『天然歯とインプラントの生物学的幅径』を参2019年に米国歯周病学会(AAP)によって「Bio-type」という語は「Periodontal-phenotされた。28Salamaの歯間乳頭様組織の形可能距離出典  Salama H, Salama MA, Garber D, Adar P. The interproximal height of bone: a guidepost to predstrategies and soft tissue contours in anterior tooth replacement. Pract Periodontics Aesthet Dent1131‐1141.ClassRestorativeEnvironmentProximityLimitationsTis1Tooth-Tooth1mm2Tooth-PonticN/A3Pontic-PonticN/A4Tooth-Implant1.5mm5Implant-PonticN/A6Implant-Implant3mmpapilla4.5mm5.5mm3.5mmBB3:ポンティック、21:インプラント、123天然歯の場合の隣接する各修復物における歯間乳頭様組織の形成可能距離。A:歯間乳頭頂点、B:歯頚ライン上のゼニスポイント、C:インプラントのプラットフォーム頂162プレゼンで使える、あの分類および文献Kan(カン)らは唇側中央にプローブを入れ、視認できる場合を唇側歯肉が薄いthinタイプ、できない場合を唇側歯肉が厚いthickタイプとして分類。解説者コメント:どの測定値においてもthickタイプのほうがthinタイプより高い位置に歯肉がきており、thickタイプのほうが隣接面においても高い位置に歯間乳頭を獲得できる。なお、2019年に米国歯周病学会(AAP)によって「Bio-type」という語は「Periodontal-phenotype」に変更された。29Kanの歯肉のバイオタイプ出典  Kan JY, Rungcharassaeng K, Umezu K, Kois JC. Dimensions of peri-implant mucosa: an evaluation of maxillary an-terior single implants in humans. J Periodontol 2003;74(4):557‐562.*Statistically significant(P<0.05)Bone-Surrounding Depth(mean±SDmm)SiteThick Biotype(n=28)Thin Biotype(n=17)P ValueMT(近心天然歯の側面)4.46±0.783.76±0.530.002*MI(インプラントの近心側面)6.54±1.055.56±1.400.011*F(インプラントの中心)3.79±0.893.38±0.910.150DI(インプラントの遠心側面)6.14±1.115.59±1.310.137DT(遠心天然歯の側面)4.45±0.573.79±0.560.001*papillaMTMIFDIDTMT:the mesial aspects of the adjacent teeth/MI:the mesial aspects of the implant restoration/F:the mid-facial aspects of the implant restoration/DI:the distal aspects of the implant restoration/DT:the distal aspects of the adjacent teeth163プレゼンで使える、あの分類および文献PAGE164PAGE165Papillaプレゼンで使える、あの分類および文献Tarnow(ターナー)ら(2000)は2本の連続したインプラント間の骨頂入間隔との関連性について評価した。その結果、インプラント間の骨入間隔に関連していることが示唆された。解説者コメント:インプラント間は最低でも3mm確保すべきであルール)。3mm以下になると、骨頂において大きな骨吸収を起こす頂の高さが大きく関連するため、審美的観点からもインプラント間距然歯の場合、歯槽骨頂からコンタクトポイントまでの距離が5mm形成が得られると報告されている。30Tarnowのインプラ出典  Tarnow DP, Cho SC, Wallace SS. The eect of inter-implant distance on Periodontol 2000;71(4):546‐549.(佐藤直志.インプラント周囲のティッシュ・マネージメント .東京:ク164連続したインプラント間で3mm以上隣接歯とインプラント間で2mm以上3.0mm単独埋入インプラントで隣接歯とインプラント間が≦1mmと近接しているインプラントでは約2.4mm、≦2mmだと1.2mm骨頂が吸収する。Papillaプレゼンで使える、あの分類および文献Saadoun(サドゥーン)らの提唱した歯間乳頭様組織の形成に必要な埋入位置。解説者コメント:インプラントの埋入時の近遠心的位置、すなわちインプラントとインプラントの間隔およびインプラントと隣接歯の間隔(隣接面間距離 interproximal distance)は、歯間部骨頂の高さを維持し、歯間乳頭様組織のボリューム(高さと幅)を決定する要因となる。31出典  Saadoun AP, LeGall M, Touati B. Selection and ideal tridimensional implant position for soft tissue aesthetics. Pract Periodontics Aesthet Dent 1999;11(9):1063‐1072.Saadounのインプラント隣接乳頭の再生可能距離(佐藤直志.インプラント周囲のティッシュ・マネージメント .東京:クインテッセンス出版,2001;229より)165PAGE166PAGE167プレゼンで使える、あの分類および文献Hermann(ヘルマン)らによるインプラント周囲骨の変化。① 骨縁または骨縁下1mmに埋入された1回法1ピースインプラント(マイクロギャップなし)では滑沢/粗造境界位置が骨/インプラント接触位置となる(A、B)。② 骨縁または骨縁下に埋入された2ピースインプラント(マイクロギャップあり)においてはインプラント/アバットメント界面(マイクロギャップ)の位置が歯槽骨の吸収に影響する(C~F)。③ インプラント埋入後、早期にインプラント辺縁骨の変化が起きる。④ これらの変化は1回法/2回法の外科手技ではなく、インプラントの表面性状やマイクロギャップの有無とその位置に影響される。32Hermannのインプラント周囲骨のリモデリング出典  Hermann JS, Buser D, Schenk RK, Cochran DL. Crestal bone changes around titanium implants. A histometric eval-uation of unloaded non-submerged and submerged implants in the canine mandible. J Periodontol 2000;71(9):1412-1424.ABDEFCABDEFC元の骨頂の位置骨頂マイクロギャップマイクロギャップインプラント埋入時埋入6ヵ月後骨縁下1.5mm骨縁下1.5mm骨縁下1mm骨縁下1mm骨縁上1mm骨縁ーーーー骨縁骨縁骨縁下1.5mm2ピース2ピース埋入時埋入時FEDCBA埋入後3ヵ月埋入後3ヵ月埋入後3ヵ月2ピース1回法2回法2回法2回法1回法1回法1ピース1ピース2ピース骨縁下1.5mm1回法/2回法構成パーツ滑沢/粗造境界部の位置マイクロギャップの位置アバットメント連結イヌ(n=5)に59本のフィクスチャーを埋入し6群に分類(石川高行,山森翔太.こうすれば防げるインプラント周囲炎.東京:クインテッセンス出版,2012;19より)Papilla166プレゼンで使える、あの分類および文献辺縁骨吸収を抑制するためにLazzara(ラザーラ)が13年以上の予後を基に示したプラットフォームスイッチング。マイクロギャップから辺縁骨を遠ざけると、辺縁骨の吸収は抑制される。また、プラットフォームの段差で、インプラント周囲上皮の下方への伸長が止まる。解説者コメント:Ericsson(エリクソン)はインプラント周囲において「プラーク由来」(歯肉溝周囲)と「アバットメント由来」の炎症性細胞浸潤(ICT)があることを示しているが、プラットフォームスイッチングにすることで辺縁骨吸収の原因となる「アバットメントICT」を歯槽骨から離すことができる。なお、アバットメントICTについては、マイクロギャップの大きさよりマイクロムーブメント(微小動揺)が大きく関与しているといわれてきている。33Lazzaraのプラットフォームスイッチング出典  Lazzara RJ, Porter SS. Platform switching: a new concept in implant dentistry for controlling postrestorative crestal bone levels. Int J Periodontics Restorative Dent 2006;26(1):9-17.(石川高行,山森翔太.こうすれば防げるインプラント周囲炎.東京:クインテッセンス出版,2012;21より)上部構造の微小動揺ICT(免疫系細胞の集積)Inflammatory cell infiltrates浸出液で浄化させるアバットとの接合部アバットとの接合部の微小動揺ICT(免疫系細胞の集積)Inflammatory cell infiltrates上部構造の微小動揺アバットとの接合部浸出液で浄化させるアバットとの接合部の微小動揺同径のプラットフォームプラットフォームスイッチングPlatformswitching167PAGE168PAGE169プレゼンで使える、あの分類および文献Lang(ラング)らにより提唱されたインプラント周囲病変を系統的かつ継続的にモニタリングするためのCIST(Cumulative Interceptive Supportive Therapy:累積的防御療法)プロトコル。プロービングデプス、プロービング時の出血およびX 線写真上における骨吸収量を基に治療方法をシステマティックに選択する。解説者コメント:本邦では使用できない薬剤が含まれるため、日本口腔インプラント学会および日本歯周病学会の治療指針では、改変した方法が推奨されている。インプラント周囲病変に対する有用なプロトコルであるが、近年より臨床的な治療手順が代用されるようになってきている。34LangのCIST(累積的防御療法)出典  Lang NP, Berglundh T, Heitz-Mayeld LJ, Pjetursson BE, Salvi GE, Sanz M. Consensus statements and recommend-ed clinical procedures regarding implant survival and complications. Int J Oral Maxillofac Implants 2004;19 Suppl:150-154.PD≦3mmPD4~5mmPD>5mmA、B、Cの治療を完了した後、外科的なアプローチ(プロトコルのD)を考慮する。インプラント周囲炎に対する外科的な治療は、抗生剤の全身投与とインプラント表面の汚染除去を併用して行うべきである。再生療法を選択した際には、バリアメンブレンのみ使用するか、自家骨あるいは骨補填材料(ウシ由来無機性骨ミネラル)の移植を併用するかを検討する必要がある。切除手術は、インプラント周囲の欠損が再生療法を行うのに適していないときに考慮される。C:全身的もしくは局所的な抗生剤療法が行われるものであるが、PD値が5mm以上の際に適用される。それに加えて、臨床所見を補充するためにX線撮影を行うべきである。典型的な全身的薬剤投与はオルニダゾール(1000mg×1)にもしくはメトロニダゾール(250mg×3)を10日間、あるいはアモキシシリン(375mg×3)とメトロニダゾール250mg×3)の組み合わせを10日間行う。局所的療法は、抗生剤の徐放性を持っているテトラサイクリン繊維やミノサイクリンミクロスフェアなどの薬剤の局所適用を10日間行う。B:PD値が4~5mm見られる際に適用されるものであり、殺菌剤が適用される。ここでは化学的なプラークコントロールとしてクロルヘキシジングルコン酸が使用される。通常は、0.1~0.2%のクロルヘキシジン約10mlでの30秒間の含嗽、クロルヘキシジンジェル(0.2%)の局所応用、3~4週間に及ぶクロルヘキシジン(0.2%)による1日2回の局所洗浄が行われる。A:プラーク沈着とプロービング時の出血があるものの、PD値が3mm以下の際に通常は応用されるものであり、患者には口腔衛生の再指導を行ってメインテナンスの開始と継続を動機付けさせる;機械的なプラーク除去は非金属製のキュレットを使用して行う;研磨は研削剤を含まないペーストとラバーカップを使用して行う。治療不要プラーク沈着なしプローピング時出血なしプラーク沈着ありプローピング時出血あり機械的プラーク除去+研磨プローピング時出血あり骨吸収なしプローピング時出血あり骨吸収≦2mmプローピング時出血あり骨吸収>2mm消毒薬による洗浄全身的もしくは局所的な抗生物質療法切除手術もしくは再生手術Peri-implantitis168プレゼンで使える、あの分類および文献Schwarz(シュワルツ)によるインプラント歯周炎の治療手順のフローチャート。解説者コメント:インプラント周囲炎への適正な診断によって得られたインプラント周囲粘膜炎、周囲炎、それぞれに対して、具体的に治療法が示されている。特に再評価後に治療終了の時期を「排膿なしBOP20%未満になるまで」と設定していることがLangのCISTに比べてより臨床的となっている。35Schwarzのインプラント周囲炎の治療手順出典  Schwarz F, Becker J. Peri-implant Infection: Etiology, Diagnosis and Treatment. Berlin:Quintessence, 2007.診断Diagnosis撤去Explantationオッセオインテグレーションの喪失Loss of osseointegrationインプラント体長2/3以上の骨喪失Bone loss>2/3 of implant lengthPeri-implant Mucositisインプラント周囲粘膜炎Peri-implantitisインプラント周囲炎骨縁上構造(supracrestal)Supracrestal componentインプラント整形Implantoplasty骨縁下構造(Intrabony)Intrabony component再生療法Regenerative therapyプラスチックキュレット+綿球+生理食塩水Plastic curettes+Cotton pellet+saline自家骨+天然由来コラーゲンメンブレンAutogenous bone+native collagen membraneあるいはorウシ骨移植材料+天然由来コラーゲンメンブレン(Bio-Gide)Bovine bome mineral (BDX)+native collagen membrane(BG)非粘膜下治癒+システマティック抗菌療法Nonsubmerged healing+systematic antibiotics初期治療Initial therapy機械的清掃+クロロへキシジンMechanical debridement+chlorhexidine digluconate再評価→BOPが20%未満となるまで治療Re-evalution→Treatment until BOP<20%審美部位Esthetic zone審美部位ではないNon-esthetic zone初期治療Initial therapyEr:YAG Laserあるいは機械的清掃Er:YAG LaserorMechanical debridement+局所的抗菌療法あるいは抗菌光力学的治療Local antibioticsorAntimicrobialphotodynamic therapy再評価→排膿なし、BOPが20%未満となるまで治療Re-evalution→Treatment until pus-and BOP<20%+保存的治療Maintenance therapyEr:YAG Laserあるいは機械的清掃Er:YAG LaserorMechanical debridement+局所的抗菌療法あるいは抗菌光力学的治療Local antibioticsorAntimicrobialphotodynamic therapy岩野先生/改訂分(訂正箇所なし)Peri-implantitis169PAGE170PAGE172プレゼンで使える、あの分類および文献Stage ⅠStage ⅡStage ⅢStage Ⅳ重症度歯間部のCAL(最大値)1~2 mm3~4 mm≧5 mm≧5 mm歯間部のX線学的骨吸収歯頚側1/3 未満(<15 %)歯頚側1/3 未満(15~33 %)歯根長1/3を超える歯根長1/3を超える歯周炎による歯の欠損なしなし≦4 歯≧5 歯複雑度局所プロービングポケット深さ4 mm 以下水平性骨吸収プロービングポケット深さ5 mm 以下水平性骨吸収Stage Ⅱ の条件に加えてプロービングポケット 深さ6 mm以上水平性骨吸収≧3 mm根分岐部病変 ⅡおよびⅢ 度中等度の骨吸収Stage Ⅲ の条件に加えて下記条件のための複雑な補綴処置が必要な場合:咀嚼障害二次性咬合性外傷重度水平性骨吸収咬合崩壊歯の病的移動フレアアウト残存歯 20 歯以下(10 ヵ所の咬合接触)範囲それぞれの Stage において広汎型(智歯を除く30%以上の歯)、限局型(同30%未満)、大臼歯/前歯どちらのパターンかを記述することGrade AGrade BGrade C主要基準歯周炎進行の直接的なエビデンス長期的なデータ過去 5 年間に骨吸収なし過去 5 年間に< 2 mm 骨吸収過去 5 年間に≧ 2 mm 骨吸収歯周炎進行の間接的なエビデンス% 骨吸収 / 年齢< 0.250.25~1.0> 1.0表現型高度のバイオフィルム付着+軽度の組織破壊バイオフィルム付着と組織破壊が同レベル組織破壊がバイオフィルムの量による予測を超える場合・急速進行/・早期発症修飾因子リスクファクター喫煙非喫煙喫煙 < 10 本/日喫煙 ≧ 10 本/日糖尿病正常血糖値糖尿病HbA1c < 7.0%糖尿病HbA1c ≧ 7.0%(CRP、バイオマーカーはまだエビデンスに乏しいとの記載があるため、新分類に含めない)Stage 分類Grade 分類171プレゼンで使える、あの分類および文献解説者コメント:シカゴで開催された米国歯周病学会と欧州歯周病学会との合同ミーティングにおいて、歯周疾患の新分類が20年ぶりに提案されたのと併せて、これまで明確な分類がなされていなかったインプラント周囲疾患についての分類が新たに提唱された。今後ますますクローズアップされていくであろうインプラント周囲炎の定義およびリスクファクターが明確にされたことは、臨床上有用である。これをベースに今後治療法、予防法が確立されることが望まれる。健康なインプラント周囲組織インプラント周囲粘膜炎インプラント周囲炎インプラント周囲硬・軟組織欠損臨床的特徴・ 発赤、BOP、腫脹および排膿が生じていないこと・ 最大の特徴は弱圧でのプロービング時の出血、次いで発赤、腫脹および排膿の存在・ 腫脹およびプロービングに対する抵抗性の減少によりPDの深化がしばしば生ずる・ インプラント周囲粘膜の炎症と支持骨の進行性の吸収・ ベースライン時と比べた退縮を伴うあるいは伴わないPDの深化とX線学的骨吸収・ ベースライン時のX線データがない場合はBOPを伴うX線学的3mm以上の骨吸収と6mm以上のPD―病因―・プラーク・プラーク・歯の喪失後の治癒過程リスクファクター―・宿主反応性・喫煙・糖尿病・放射線治療・重度歯周炎の既往・ プラークコントロール不良・ 治療後のメインテナンス不備・ 残留セメント (限局されたエビデンス)・ 位置不良 (限局されたエビデンス)・歯周組織の破壊・歯内病変・歯根フラクチャーの放置・薄い唇側骨・歯の位置異常・組織損傷を伴う抜歯・損傷・上顎洞の含気化・歯の発育不全・ 可撤性義歯による不正な圧・ 骨形成量を減少させる薬の服用や全身疾患の存在※ 角化粘膜の存在、咬合過重、チタン粒子、骨圧縮壊死、オーバーヒート、マイクロムーブメントおよび腐食については証明されていない着目点1.角化粘膜の必要性 またインプラント周囲角化粘膜の存在については、インプラント周囲の長期的健康維持に対する効果についてのエビデンスは不足しているものの、プラーク除去における患者の快適性および容易さについては有益である可能性があると言及された。2.ベースライン評価 インプラント上部補綴装置が装着された後、ベースライン時のエックス線撮影とプロービングデプス測定を行うことが推奨されることが明記された。37インプラント周囲疾患の新分類出典  Berglundh T, Armitage G, Araujo MG, Avila-Ortiz G, Blanco J, Camargo PM, Chen S, Cochran D, Derks J, Figuero E, Hämmerle CHF, Heitz-Mayeld LJA, Huynh-Ba G, Iacono V, Koo KT, Lambert F, McCauley L, Quirynen M, Renvert S, Salvi GE, Schwarz F, Tarnow D, Tomasi C, Wang HL, Zitzmann N. Peri-implant diseases and conditions: Consensus report of workgroup 4 of the 2017 World Workshop on the Classication of Periodontal and Peri-Implant Diseases and Conditions. J Periodontol 2018; 89: S313-S318.Peri-implantitis172PAGE173プレゼンで使える、あの分類および文献Renvert(レンバート)による1本ないしは隣接する2本のインプラント周囲に、インプラント周囲炎によって生じたさまざまな骨欠損(1~ 4壁性、裂開状、水平性)および骨の欠損形態に応じた外科手技選択のフローチャート。解説者コメント:天然歯周囲とは異なり、インプラント周囲炎によって生じるインプラント周囲の骨欠損はおもに包囲状クレーター状を呈する。残存歯槽骨の幅、埋入位置あるいは周囲炎の進行度合いにより、骨欠損形態は変化する。骨欠損形態を上図のように分類し、形態に応じた対応方法を選択す38Renvertの骨欠損形態と術式選択の分類出典  Renvert S, Giovannoli JL. Peri-Implantitis. Paris: Quintessence, 2012;157.単独インプラント2本隣接したインプラント体外科処置骨欠損形態4壁性裂開自家骨/骨補填材料を用いた骨欠損修復療法自家骨/骨補填材料にメンブレンを用いた骨欠損修復療法歯肉弁根尖側移動術を用いた切除療法3壁性2壁性1壁性外科処置骨欠損形態4壁性自家骨/骨補填材料を用いた骨欠損修復療法自家骨/骨補填材料にメンブレンを用いた骨欠損修復療法歯肉弁根尖側移動術を用いた切除療法3壁性水平性2壁性Peri-implantitis

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