21世紀版 インプラントのための重要12キーワード ベスト240論文
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プレゼンで使える、あの分類および文献36ペリオの新分類出典 Papapanou PN, Sanz M, Buduneli N, Dietrich T, Feres M, Fine DH, Flemmig TF, Garcia R, Giannobile WV, Graziani F, Greenwell H, Herrera D, Kao RT, Kebschull M, Kinane DF, Kirkwood KL, Kocher T, Kornman KS, Kumar PS, Loos BG, Machtei E, Meng H, Mombelli A, Needleman I, Oenbacher S, Seymour GJ, Teles R, Tonetti MS. Periodontitis: Consensus report of workgroup 2 of the 2017 World Workshop on the Classication of Periodontal and Peri-Implant Diseases and Conditions. J Periodontol 2018; 89: S173‒S182.変更点1999年2017年病名の統合「慢性歯周炎」/「侵襲性歯周炎」「歯周炎」に統一Stage分類、Grade分類の導入―進行度を測るStage分類、重篤度を測るGrade分類の導入Stage分類について―歯間部の臨床的アタッチメントロス(CAL)およびX線学的骨吸収(RBL)、歯周炎に伴う喪失歯の数がStage分類の主な基準となるGrade分類について―・RBLの経年的増加度合いがGrade分類にもっとも関わる・経年変化が不明な場合にはRBLを年齢で割った値(%骨吸収/年齢)を指標としてGrade分類を行う・喫煙および糖尿病という明確なリスクファクターを基に重篤度を評価するようになった生物学的幅径の名称変更Biologic width Supracrestal tissue attachment歯肉退縮分類Millerの分類Cairoの分類提唱1997年の分類と2017年の新分類との大きな違いPeri-implantitis解説者コメント: 歯周病の分類の歴史は古く、100年以上前よりさまざまな報告がなされてきた。古くはC.G. Davis(1879)、G.V. Black(1886)などにより臨床的特徴に基づく分類がなされてきたが、1942年、B. Orbanらにより、古典的病因論に基づく分類が報告され、さまざまな分類がそこで初めて統一された。その後1965年、H. Röeにより歯周病の原因がプラーク中の細菌であることが明らかとされてからは、1966年、1977年、1989年と約10年間隔で米国歯周病学会(AAP)を中心に世界的に統一された分類がなされるようになった。現在本邦含め世界で広くで応用されている分類は、1999年AAPによるものである。そして2017年、世界中のペリオドンティストの代表がシカゴに集結してAAPおよびヨーロッパ歯周病学会(EFP)共催のワークショップが開催され、約20年ぶりにその改訂が議論されるとともに、2018年、コンセンサスレポートとしてJournal of Periodontology およびJournal of Clinical Periodontologyにて報告された。慢性歯周炎と侵襲性歯周炎の統合など、実際の臨床に照らして疑問を感じる部分もあるが、現在の病状と今後の進行の予測が盛り込まれた、1999年の分類からの改善がなされたより患者の状態に即した分類であると思われる。170

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