21世紀版 インプラントのための重要12キーワード ベスト240論文
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プレゼンで使える、あの分類および文献解説者コメント:シカゴで開催された米国歯周病学会と欧州歯周病学会との合同ミーティングにおいて、歯周疾患の新分類が20年ぶりに提案されたのと併せて、これまで明確な分類がなされていなかったインプラント周囲疾患についての分類が新たに提唱された。今後ますますクローズアップされていくであろうインプラント周囲炎の定義およびリスクファクターが明確にされたことは、臨床上有用である。これをベースに今後治療法、予防法が確立されることが望まれる。健康なインプラント周囲組織インプラント周囲粘膜炎インプラント周囲炎インプラント周囲硬・軟組織欠損臨床的特徴・発赤、BOP、腫脹および排膿が生じていないこと・最大の特徴は弱圧でのプロービング時の出血、次いで発赤、腫脹および排膿の存在・腫脹およびプロービングに対する抵抗性の減少によりPDの深化がしばしば生ずる・インプラント周囲粘膜の炎症と支持骨の進行性の吸収・ベースライン時と比べた退縮を伴うあるいは伴わないPDの深化とX線学的骨吸収・ベースライン時のX線データがない場合はBOPを伴うX線学的3mm以上の骨吸収と6mm以上のPD―病因―・プラーク・プラーク・歯の喪失後の治癒過程リスクファクター―・宿主反応性・喫煙・糖尿病・放射線治療・重度歯周炎の既往・プラークコントロール不良・治療後のメインテナンス不備・残留セメント(限局されたエビデンス)・位置不良(限局されたエビデンス)・歯周組織の破壊・歯内病変・歯根フラクチャーの放置・薄い唇側骨・歯の位置異常・組織損傷を伴う抜歯・損傷・上顎洞の含気化・歯の発育不全・可撤性義歯による不正な圧・骨形成量を減少させる薬の服用や全身疾患の存在※角化粘膜の存在、咬合過重、チタン粒子、骨圧縮壊死、オーバーヒート、マイクロムーブメントおよび腐食については証明されていない着目点1.角化粘膜の必要性 またインプラント周囲角化粘膜の存在については、インプラント周囲の長期的健康維持に対する効果についてのエビデンスは不足しているものの、プラーク除去における患者の快適性および容易さについては有益である可能性があると言及された。2.ベースライン評価 インプラント上部補綴装置が装着された後、ベースライン時のX線撮影とプロービングデプス測定を行うことが推奨されることが明記された。37インプラント周囲疾患の新分類出典 Berglundh T, Armitage G, Araujo MG, Avila-Ortiz G, Blanco J, Camargo PM, Chen S, Cochran D, Derks J, Figuero E, Hämmerle CHF, Heitz-Mayeld LJA, Huynh-Ba G, Iacono V, Koo KT, Lambert F, McCauley L, Quirynen M, Renvert S, Salvi GE, Schwarz F, Tarnow D, Tomasi C, Wang HL, Zitzmann N. Peri-implant diseases and conditions: Consensus report of workgroup 4 of the 2017 World Workshop on the Classication of Periodontal and Peri-Implant Diseases and Conditions. J Periodontol 2018; 89: S313-S318.Peri-implantitis172

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