口腔外科ハンドマニュアル’19
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Chapter1-1VISUAL SEMINAR : BASIC DENTAL AND ORAL SURGERYSection1ビギナー&ミドルのための必修 ベーシックテクニックChapter1 口腔外科ビジュアルセミナーインプラント撤去基準の必要性新患におけるトラブル患者の割合と紹介元 2014年から2016年の3年間に東京歯科大学口腔インプラント科に来院した新患1,607名のうち25%にあたる396名は,すでに他の歯科医院でインプラント治療が行われており,そのうちの221名(56%)は,インプラントのトラブルを主訴として来院している(図1).しかも問題のインプラントを埋入した歯科医院からの紹介は,トラブル症例221名中わずか32名(14%)で,残りの189名(86%)は,直接そのインプラントにはかかわっていない診療所からの紹介であった.つまり今後,好むと好まざるとにかかわらず,すべての歯科医院において,他の歯科医師が行ったインプラント治療の後始末に対処しなければならない事態に陥っている.当然,それらの症例のなかには,インプラントの撤去を余儀なくされるケースもたくさん含まれる.しかし,現在,明確なインプラントの撤去基準は報告されていない.そのため,私たちは自分の経験だけを頼りに保存か撤去かを決めているにすぎない.患者に懇願され,他の歯科医院で治療されたインプラントを撤去したことで,歯科矢島安朝東京歯科大学口腔インプラント学講座連絡先:〒101‐0061 東京都千代田区神田三崎町2‐9‐18Yasutomo YajimaDepartment of Oral and Maxillofacial Implantology, Tokyo Dental Collegeaddress:2-9-18 Kanda-Misaki-cho, Chiyoda-ku, Tokyo 101-0061Standards and Choosing Methods in Implant Removalインプラントの撤去基準と撤去方法の選択新規来院患者1,607名インプラント治療未経験1,211名75%インプラント治療既往396名25%転院先86%189名埋入医14%32名紹介元その他19名追加埋入108名トラブル221名56%メインテナンス48名図1 東京歯科大学水道橋病院口腔インプラント科に来院した新患の割合(2014〜2016年).51

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