世界最強の歯科保健指導 中巻
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 “はっぴーえんど”な 私の友人にマンガ家がいる。魚戸おさむ先生だ。代表作には『家栽の人』 『玄米せんせいの弁当箱』 『ひよっこ料理人』などがある。『ビッグコミック』誌などで連載しておられるので、ご存知の方も多いだろう。 先生は、食に関する話題を描きながら、読者が健康になるストーリーを展開している。読んで健康になるマンガを指向されているのは、世界広しといえども、おそらく魚戸先生ぐらいのものであろう。 先生のマンガには、“歯や口の健康”や“噛むこと”にまつわる話が多い。最初に衝撃を受けたのは、『玄米せんせいの弁当箱』。4歳児が誕生日のケーキを食べるとき、ろうそくの火を吹き消すことができなかったのだ。 今でこそ、小児の口腔機能の低下が大きな社会問題になっている。しかし、それを10年以上前に調べ上げ、描かれている。その慧眼には驚きを隠せない。 また『ひよっこ料理人』では、主人公の父親を歯科医師として登場させている。その強面の歯科医師が、――しっかり食べることが、しっかり生きるということだ。――歯は“歯車”と一緒で、一本欠けただけで時計が狂うようにうまく動かない。――現代は“口に入る前の栄養学”が主流だが、“口に入った後の栄養学”という発想が抜けている。それが“噛む”ということだ。 さらには「歯周病と糖尿病の関係」についても述べている。まさに、歯科界が訴えたいことを代弁してくださっているのだ。しかも、専門誌ではなく一般の方々が読まれるコミック誌を通じての発信なので、その影響力は計り知れない。 そういえば、こんなシーンもあった。あとがき©『玄米せんせいの弁当箱』(魚戸おさむ・小学館)©『ひよっこ料理人』(魚戸おさむ・小学館)©『玄米せんせいの弁当箱』(魚戸おさむ・小学館)250世界最強の歯科保健指導〈中巻〉―歯科の世界はこんなにおもしろい―

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