ジルコニアモノリシックレストレーションコンプリートブック
2/6

55Chapter 3 形態修整・適合調整の勘どころ形態修正・バイト調整 形態修正とバイト調整に使用するダイヤモンドバーは、前歯部と臼歯部外形がDFSダイヤモンドバーISO289(DFS、カムネッツ、図8)、バイト調整はDFSダイヤモンドバーISO277(図9)、臼歯部咬合面がDFSダイヤモンドバーISO238(図10)を使用している。 最終的にグレージングペーストにて仕上げることを考慮し、前歯部の表面性状は若干強めに入れておく(図8)。また、Chapter2 スキャン~CADデザイン~ミリングの勘どころで述べたように、バイトが高くなっているため、まずはこれをリセットし、さらに調整していく必要がある。その際、コンタクトポイントも隣在歯と空かせておく。筆者は30μmの咬合紙が抵抗なく抜けるまで調整している(図9、10)。図6a、b 高透過性ジルコニアは強度が低いため、通常のジルコニアと同じように作業を行うとチッピングやクラックなどが起こるため注意が必要である。図7a、b インレーの内斜面の調整には細いダイヤモンドバー(DFSダイヤモンドバーISO238)を使用する。図8a、b 前歯部と臼歯部外形の形態修正にはDFSダイヤモンドバーISO289(b)を使用している。最終的にはグレージングペーストにて仕上げることを考慮し、前歯部の表面性状は若干強めに入れておく。図5a~f シンタリング後のジルコニアはマージン部に厚みがあり、ミリング時のバーの痕やサポート痕が残っている(a)。マージン部の調整は基本的には切削力の高いビトリファイドダイヤ(b、c)、DFSダイヤモンドバーISO277(d)、EVEダイヤポル(e)の順で行っている。fは調整終了後。なお同症例についてはChapter4 浸透系カラーリキッドの勘どころの解説にも用いている。abcdefabaabb

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る