決定版 実践マニュアル歯科用CTの見かた・読みかた
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歯科用CBCTの小児歯科領域への臨床応用Ⅰ過剰歯defg 近年では,小児歯科領域において三次元的な画像診断に歯科用CBCTが多く利用されています.その撮像目的については,過剰歯の精査が最も多く,ついで永久歯の位置確認,外傷歯の精査,形態異常歯の精査などが挙げられます1.本稿では以下,それぞれの疾患について具体例を示しながら説明していきます. 過剰歯は約2%の発症率を示し,小児歯科の臨床において比較的多く遭遇する疾患です2.過剰埋伏歯が隣在する永久歯に与える影響については,萌出遅延,位置異常,捻転,歯根吸収や形成障害,正中離開などの歯列不正や過剰歯に起因する嚢胞性変化などが報告されています3. よって過剰歯の治療方法としては,摘出が第一選択となります.ただし,その時期については明確な指標はいまだ存在していません2.摘出時期を決定する重要な因子として,過剰埋伏歯の三次元的位置および過剰埋伏歯周囲に存在する永久歯胚への影響■症例1・逆生の過剰埋伏歯図7-1a〜c a:上顎正中過剰埋伏歯のパノラマエックス線画像.b:同歯科用CBCTのaxial像(黄矢印は過剰埋伏歯).c: bの解剖図.図7-1d,e 同歯科用CBCTのcoronal像(黄矢印は過剰埋伏歯).図7-1f,g 同歯科用CBCTのcross section像(黄矢印は過剰埋伏歯).abc₁₁₁過剰埋伏歯₁過剰埋伏歯₁₁過剰埋伏歯切歯管84

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