「粧う」ことで健康寿命を伸ばす化粧療法
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23第2章 歯科(歯や口)と化粧療法の中でも「母親のよだれが、なぜか止まったのです」とコメントをされていました。 化粧をするとよだれが止まる???? なぜ?? ――話は検証が始まる数か月前。化粧による認知機能への影響を調べるために、脳から分泌されるドーパミン注1)という物質を測定する計画を立てていました。しかし、ドーパミンを測定するには採血が必要で、参加者の負担が大きいこともあり、測定は断念しました。そこで苦肉の策で、参加者の負担が比較的小さい唾液を採取し、ドーパミンと関係があり唾液でも検出が可能なサブスタンスP注2)という物質を測定することにしました。直接ドーパミンの変化を調べることはできませんが、間接的に認知機能にかかわる物質の変化を期待して、検証をスタートしました。その時点では、まさかサブスタンスPが嚥下にかかわる物質だと知りませんでした。 検証3か月後、スタート時と比較するためにデータ分析を始めました。冒頭のスタッフのコメントが気になり、まず、よだれが止まっ図1 「いきいき美容教室」に参加前はよだれかけを使用していた。図2 「いきいき美容教室」参加後はよだれかけが写っていない。

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