TMD YEARBOOK2019_2020
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3章 患者さんの訴えの種類に応じた問診・説明をしよう!1.患者さんに何を聞く?(問診) アゴの不具合で,歯科医院に来院した患者さんが訴える病状の大多数が,「アゴが痛い」,「口が開かない」,「音がする」の3つのいずれかです. そのなかで本稿では,「アゴが痛い」について解説をしていきます.まず,問診として上記の7つについて患者さんに聞いていきます.その前に理解しておきたいことは,顎関節症によるアゴの痛みには,アゴの関節の痛みすなわち“顎関節痛障害”(以下,顎関節痛)と,アゴの筋肉の痛みすなわち“咀嚼筋痛障害”(以下,咀嚼筋痛)の2種類があるということです(図1).そしてこのことを,患者さんに最初に説明しておきましょう.患者さんの訴え その1執筆:和嶋浩一慶應義塾大学医学部歯科口腔外科学教室元赤坂吉見歯科クリニック「アゴが痛い」問診内容1-1)痛む場所はどこですか?1-2)痛みはいつからですか?1-3)何かきっかけはありましたか?1-4)どんな種類の痛みですか?1-5)痛みの強さはどれくらいですか?1-6)アゴの痛みはどうすると痛くなりますか?1-7)痛みはひどくなっていますか,それとも軽くなっていますか?アゴの痛みには顎関節痛と咀嚼筋痛がある図1 顎関節症によるアゴの痛みには,関節の痛みすなわち“顎関節痛”と,筋肉の痛みすなわち“咀嚼筋痛”の2種類がある.アゴの痛み①顎関節痛②咀嚼筋痛34別冊the Quintessence 「TMD YEARBOOK 2019/2020」

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