薬を飲んでいる患者への歯科治療
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▶▶ ステロイド剤を服用している患者表1-8 本症例における治療薬(リウマチ薬)の変遷表1-10 本症例における外科治療と周術期管理した。抜歯後の経過は問題なく、4ヵ月後のCTによる骨の評価では骨量、骨密度ともにインプラント埋入には問題ないと考えられた(図1-4)。 口腔内の清掃状態も問題なかった。抜歯4ヵ月後に静脈内鎮静法下にてステロイドカバー(ヒドロコルチゾン100mg)と抗菌薬(セファゾリンナトリウム1g)の術前投与を行い、通法どおり5相当部と6相当部にインプラント埋入を行った(Straumann社製 SLA® EP SS5部:φ4.1×10mm、6部:φ4.1×12mm)。術後には抗菌薬(セフジニル 300mg/day)を服薬した。1ヵ月後の初診時・プレドニゾロン 12mg/day副腎皮質ステロイド・アザチオプリン 100mg/day免疫抑制薬・サラゾスルファピリジン1,000mg/day抗リウマチ薬・(2005〜2009年まで、ビスフォスフォネート製剤、アクトネル®)現在・プレドニゾロン 8mg/day・メトトレキサート 8mg/week・サラゾスルファピリジン1,000mg/day・抗TNF療法(エタネルセプト)を2010年から開始(エンブレル®)表1-9 本症例でのインプラント治療を行ううえでの問題点疾患および服薬問題点対処法コルチゾールステロイド長期投与による易感染性・感染対策・抗菌薬の予防投与ステロイド長期投与による副腎機能の低下ステロイドカバーステロイド性骨粗鬆症による骨の脆弱骨量・骨密度の評価ステロイド性骨粗鬆症によるビスフォスフォネート(BP)製剤投与・BRONJの予防・術前のBP製剤休薬・BP製剤から他の薬への変更シェーグレン症候群口腔乾燥による口腔粘膜の脆弱性インプラント義歯の慎重なメインテナンス時期外科周術期管理Step 1抜歯・抗菌薬予防投与(セフジニル)Step 2 :4ヵ月後6、5部インプラント埋入・抗菌薬投与(セフジニル+セファゾリンナトリウム1g d.i.v.)・ステロイドカバー(ヒドロコルチゾン 100mg)Step 2:1ヵ月後6、7部インプラント埋入・抗菌薬投与(セフジニル+セファゾリンナトリウム1g d.i.v.)・ステロイドカバー(ヒドロコルチゾン 100mg)Step 3:8年後6、7抜歯ソケットプリザベーション・3ヵ月前 BP 製剤(エチドロン酸二ナトリウム) 休薬 → ビタミン製剤に変更・抗菌薬予防投与(セフジニル)Step 4:6ヵ月後6、7部ソケットリフト、インプラント埋入・抗菌薬投与(セフジニル+セファゾリンナトリウム1g d.i.v.)・ステロイドカバー(ヒドロコルチゾン 100mg)201章2章3章4章5章6章7章8章9章

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