薬を飲んでいる患者への歯科治療
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術期管理のガイドラインが示された。それによれば、NOAC(DOAC)内服患者では、①現疾患が安定し、至適量が投与されている患者では、継続投与を行っても、適切な局所止血を行えば重篤な出血性合併症を発症する危険性は少ない。②抜歯は内服6時間以降、可能であれば12時間以降に行うことが勧められる。となっている。 NOAC(DOAC)である直接トロンビン阻害薬(ダビガトラン)や第Xa因子阻害薬(リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン)内服患者でも、ワルファリンと同様に継続下で抜歯をすることが推奨されている3、9。3抗血小板薬服用患者の抜歯 アスピリン、他のチェノピリジン系およびその他の抗血小板薬服用患者では、継続して抜歯を行っても、重篤な出血性合併症を発症する危険性は少ない。ただし、十分に局所止血処置を行うことが推奨されている2、3。4複数の抗血小板薬併用患者または抗凝固薬と抗血小板薬併用患者の抜歯 抗血栓療法を受けている患者では、抗血小板薬を2剤あるいは抗血小板薬と抗凝固薬を併用している患者も散見される。これらの抜歯においても、継続下での抜歯が推奨されている2、3。5抗血栓薬服用患者の抜歯以外の観血的歯科処置 米国歯科医師学会雑誌(JADA)では、ワルファリン服用患者の歯科治療に関するガイドラインが報告されている(表2-6)。それによれば、PT-INR<3.5までなら保存第2章のポイント①ワルファリン服用患者の抜歯のポイントワルファリン服用患者では、PT-INRが治療域にコントロールされている場合、PT-INRが3.0以下であれば、ワルファリン継続下で抜歯を行う。ただし、十分な局所止血が必要である。PT-INRは24時間以内、少なくとも72時間前の値を参考に抜歯を行う。可能なら、抜歯当日にPT-INRを測定するのが望ましい。抜歯時の圧迫止血時間に関しては、通常よりも長めに30分程度ガーゼにて圧迫止血すべき。第2章のポイント②DOAC服用患者の抜歯のポイント現疾患が安定し、至適量が投与されている患者では、継続投与を行っても、適切な局所止血を行えば重篤な出血性合併症を発症する危険性は少ない。抜歯は内服6時間以降、可能であれば12時間以降に行うことが勧められる。ワルファリンと同様に継続下で抜歯をすることが推奨されている。331章2章3章4章5章6章7章8章9章

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