装置に頼らない子どものの咬み合わせ治療
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067Part II実践例に学ぶ............................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................................Case 3 すでに乳歯の下にある後継永久歯のトラブルを回避できるか? 11歳2か月(矯正診査つづき)★左:頭部エックス線写真,右:プロフィログラム.★パノラマエックス線写真.全体的に歯が大きく,歯が並ぶスペースが足りないので隣接面がきれいにそろわない.咬み込み方も姿勢が悪いためバランスが取れない.左右の咬合力の差が大きいため食べ物の流れも悪くなる.各歯の咬合面のバランスも取れず,後方へ行くほど緊密に咬めなくなる.咀嚼嚥下のバランスもうまく取れないため歯が整直しづらいなど,このままでは7番が咬合するころには歯列や咬合に悪い影響を与えると思われる.<分析結果と今後の治療計画>・前傾姿勢が多く体を起こしても顔だけ起こすか,反り腰になり首を前に出して正面を見るため,なかなかまっすぐにならない.これでは舌の位置は前方へ来てしまい,長い時間歯を前に押し続けるため歯も前傾し,嚥下しても舌を挙上できず前のほうへ突出してしまう.顎の骨も一緒に前突することになる.・治療方針:①爪噛みをやめる,②左右のバランスを崩すような姿勢を直す,③各歯の不ぞろいを調整する,④筋機能訓練をできる限り進める,⑤3〜6か月の間に再診査を行い転勤後の注意を知らせるようにする.プロフィロ分析用紙 ⅢC正常初診経過現在OJ右3〜4mm5.0左3〜4mm4.0OB右2〜3mm3.2左2〜3mm3.5GZN91.0781.5U-1 to SN103.61118.4L-1 to Md94.1196.5男 子0105SArGo5※17.0〜17.5歳※11.5〜12.0歳U6U-1toSNL-1toMDPtm'ANSU1L1BPoMeAN6.58.511.514.517.512090603000180150180150120906030青:標準値赤:11.2歳※上下顎における成長の度合い.

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