再根管治療の成功率を高めるスカンジナビアエンド
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3章 スカンジナビア流 再根管治療の診査・診断の実践54 自発痛と腫脹をともない急患として来院した症例(図3-1-1,3-1-2).まず最初の目的は自発痛を止め,腫脹を引かせることにある.したがって原因の特定から始まり,次にどの歯,そしてどの根管が原因かを考えることになる. 本症例では₇の遠心口蓋部が咽頭に向かって大きく腫脹していたが,X線的にはそれほど明確ではなかった(図3-1-3).自発痛および腫脹と,触れるだけで痛みが増したことから歯原性,根管由来の問題であることが明確なため,治療の必要度も高く,患者の協力も得やすい.しかし,治療自体はクラウン除去,メタルコア除去と非常に難易度が高く(表3-1-1),さらにメタルコア除去後は無菌治療を行うことが難しいケースである(図3-1-4).X線的に明確な病変があるわけではないため,腫脹自発痛および腫脹を伴う単冠の場合図3-1-1 30代女性.疼痛が発現後,2日後には口蓋遠心側に大きく腫脹が見られるようになった.位置的に₇が原因であると思われる.図3-1-2a,b a:₇咬合面,頬側面観.b:₇咬合面観.ab3章-1

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