ビジュアル 臨床補綴・歯周治療のマネジメント
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 歯周・補綴治療の目的は,口腔内をセルフケアしやすい環境に整えること,そしてその改善された歯周環境を長期間維持・安定させることである.そのためには,正確な診査に基づいて診断していくことが重要である(表1,図1).外傷性咬合等の増悪因子も関与しているか,全身的なリスクファクターを有しているかなどを把握する.歯列,咬合関係などの一口腔単位の診断から行い,プロービングチャートによる歯周組織検査へと移行していく. それらを基に患者にとって最善の治療計画を立てる.歯周初期治療を進めていきながら,また患者の価値観や社会的背景などを探りながら信頼関係を築いていくことが重要である. 歯周初期治療は,歯周組織の炎症を改善し,プラークコントロールしやすい環境を作ることで,その後の歯周治療の効果を高める目的で行われる.それと同時に咬合性外傷などのリスクファクターを取り除き,可能な限り咬合の安定を図る.①顔貌 ⑨開口度②姿勢⑩咀嚼筋群の触診③全身状態(腰痛,肩こり,頭痛などの有無)⑪ブラキシズムの有無④全身疾患⑫歯周組織検査⑤咬合関係⑬セファログラム⑥歯列の状態⑭パノラマエックス線写真⑦顎関節症の有無と左右の顎関節の状態⑮CBCT画像⑧下顎の開閉運動⑯デンタルエックス線写真表1 歯周・補綴治療に必要な診査項目歯周・補綴治療の目的と診査項目130歯周・補綴治療に必要な診査項目 1

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