臨床で遭遇する口腔粘膜疾患に強くなる本
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31口腔粘膜疾患診断力テスト12テスト岩渕博史答は次頁Q以下の症例で考えられる,診断および治療方針は?口内炎がいくつもできて,痛みで食事ができない熱したが,口内炎ができ始め,徐々に数が増加してきたという.既往歴:特記事項なし.全身状態:良好であるが,経口摂取は疼痛のため困難で水分のみを摂取している.現症:意識は鮮明で体温36.5度,血圧,心拍数,呼吸には異常なかった.口腔内には,左右側頬粘膜,舌下部,口唇粘膜,口蓋粘膜に多発性のアフタ様口内炎と小水疱がみられ,口内炎は刺激により強い疼痛を誘発した.他に口腔粘膜には偽膜や白苔,発赤や出血はみられない.主訴:多発性の口内炎.患者:31歳,男性.現病歴,家族歴:4日前より口内炎が出現したため,市販の口内炎薬を塗布して様子をみていたが,徐々に数が増加し,疼痛が強くなってきたため来院.患者は4歳になる保育園に通う長男および妻と生活している.約3週間前に長男に発熱と多発性の口内炎がみられ,食事摂取が十分できなかったため小児科を受診,感冒との診断で投薬を受けた.その後,長男は回復したが,10日前より患者本人に全身倦怠感と発熱がみられるようになった.発熱は4日前に解図1a,b 上下唇,左右頬粘膜に小水疱と水疱が自壊した小アフタがみられる.ab症例の概要

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