臨床で遭遇する口腔粘膜疾患に強くなる本
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39口腔粘膜疾患診断力テスト14テスト⻆田和之Q以下の症状で考えられる,診断および治療方針は?口内炎が治らない!服薬:特記事項なし.現症:下顎左側小臼歯部の頬側歯槽歯肉粘膜および頬粘膜に限局し,接触痛をともなう軽度の発赤,びらんあり.歯肉腫脹,自然出血や排膿なし.検査所見:細菌培養検査では常在細菌のみが検出され,カンジダ菌などの真菌は検出されず,一般血液検査,尿検査は異常なし.パノラマエックス線写真では軽度の全顎的な水平性歯槽骨吸収があるが重度のポケット形成,その他に明らかな異常なし.主訴:口内炎が治らない.患者:53歳,女性.現病歴:初診の数週間前よりブラッシング時に歯肉出血を自覚した.その後,歯肉以外の口腔粘膜にも口内炎を自覚するようになり,かかりつけ歯科医院にてステロイド塗布療法をうけるも症状の改善はなかった.既往歴:C型肝炎,子宮筋腫.全身状態:特記すべき異常を認めず.図1 a:全顎的に歯肉の炎症は顕著でなく,刷掃時や食後に粘膜疹が発症する.b:アフタ性潰瘍のような類円形の粘膜疹ではない.答は次頁症例の概要ab

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