成功の方程式 図解! 歯周外科を用いた歯肉縁下う蝕の治療手順
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 歯肉縁下う蝕の治療法にはいくつかの術式が挙げられるが,治療結果を長期的に安定させるためには清掃性の高い歯周環境を確立できる術式選択を行うことが重要である.以下の3つの項目に沿って整理すると,術式の選択は行いやすくなる.①骨頂から健全歯質までの距離②必要な骨切除量③角化歯肉幅 これらの項目をもとにした術式選択の流れをフローチャート(図1)に示す. 本章では,歯肉縁下う蝕に対する各治療法を紹介し,それぞれの利点・欠点,適応症の選択などについて解説する.歯肉縁下う蝕に対する治療法■歯肉縁下う蝕の治療フローチャート図1 歯肉縁下う蝕に対する術式選択の概略を示す.それぞれの術式の利点と欠点を熟知し,術式の利点を最大限に引き出し,その欠点を最小限に抑えられるような治療法を考えることが重要である.骨切除にて骨の生理的形態が得られる3mm以上予後不良角化歯肉3mm以上FGG矯正的挺出骨切除を行うと骨レベルの段差が大きくなる角化歯肉3mm未満歯肉切除APFTAT抜歯骨頂から健全歯質までの距離3mm未満 APF:歯肉弁根尖側移動術  TAT:組織付着療法  FGG:遊離歯肉移植術 28

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