成功の方程式 図解! 歯周外科を用いた歯肉縁下う蝕の治療手順
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第4章 歯周外科のStep by Step3唇側切開・剥離(1)歯肉辺縁切開 唇側歯肉の切開は,#15のメスを用いて炎症性の肉芽組織を除去するように歯肉辺縁切開を行う.角化歯肉を温存するため,歯肉辺縁から0.5〜1mm離した位置に設定する.はじめに,メスの刃先1mmを使って切開線の下書きを行う(ライニング).ライニングは浅い切開のため切り口がスムーズになり,切開線の変更が必要な場合,修正が可能である(図3a,b).図3a ライニング.メスの刃先を用いて切開線の外形を描く.図3b 角化歯肉は3mmと少なかったため,歯肉辺縁から0.5mm離した位置に切開線を設定した.図3c 歯肉弁の厚みが1mm程度になるようにMGJの手前までメスを進める .(2)部分層弁の形成  ライニングの切開線に重ねて#15のメスを根尖側にすすめていき(ディープニング),歯槽骨上に骨膜を残した状態で歯肉弁を部分層弁で剥離する(図3c).メスの角度は,歯肉弁が1mm程度の厚みになるようにする.ディープニングは,もっともパーフォレーションしやすい歯肉歯槽粘膜境(MGJ)の手前1mmまですすめる(図3d).0.5~1mm1mm唇側口蓋側図3d APFでは歯肉がパーフォレーションしないように歯肉弁の厚みがやや厚め(約1mm)になるように切開を進める.0.5mmMGJ39

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