歯科衛生士のための21世紀のぺリオドントロジーダイジェスト増補改訂版
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89ルートプレーニングを安定させるには、両手をうまく使おう このようなエラーが起きる一因として、キュレット刃の研磨ができていないことの他に、女性の指がか弱いことが挙げられます。キュレットは、薬指と小指の屈伸運動によって、ポケットの底からまっすぐ上に引き上げるのが原則です。しかし、か弱く力がない場合、この屈伸の軸がぶれます。おまけにすぐに指が疲れるので、手首を支点にキュレットを回転し上下させがちです。 こうならないためのとっておきの方法として、筆者が考案した「あまの式ルートプレーニング」をご紹介します(図4-27)。あまの式は、両手使いです。右手の親指・人指し指でキュレットを持ち、中指で刃面を根面に押しつけます。右手の役目は、正しい状態で根面に当たるように刃先を保持するだけです。キュレットの屈伸運動は左手で行います。左手で引き上げると、まっすぐ一直線の屈伸運動ができます。ミラーなどで片手が塞がっている時もあるかもしれませんが、左手を使うのはキュレットを引き上げる一瞬だけなので、少しのくふうでできると思います。 この方法なら、歯肉損傷や歯石のバーニッシュが驚くほど少なくなりますし、指も疲れません。今まで2歯程度のルートプレーニングで疲れていた皆さんもこれからは一度にたくさんの歯のSRPができるようになります。図4-27 キュレットの保持力で屈伸運動が安定する力が不安定だと、ポケットの底からまっすぐ上に引き上げられず、屈伸の軸がぶれる。右手で刃先を保持し、左手でキュレットを引き上げれば、軸がぶれることなく安定した屈伸運動が可能になる。片手ストローク両手ストローク図4-26 歯石のバーニッシュキュレットで歯石の表面を上滑りして、表面を滑らかな状態にしてしまう。そうなると、取り残された歯石は探知できなくなる。NGOKまだ残っている!全部取りきれた!

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