ブタ実習から学ぶ歯周外科サブノート
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30 縫合は、創面の閉鎖だけでなく歯肉弁や移植片を固定し、血餅を保持することで創傷治癒を促す。 縫合の良し悪しが術式の成否を決定するといっても過言ではなく、縫合までの処置が問題なく行えたとしても一次創傷治癒の不良により良好な結果が得られないことがある。 さまざまな縫合法があるが、本書の実習で使用する縫合法を下記に列挙する。4縫合法(1) 水平マットレス縫合法 歯肉弁を骨面に密着させた場合にⅠを、歯肉弁断端を引き寄せたい場合にⅡを使用する。主に上顎大臼歯の口蓋側に用いる。本書では、水平マットレス縫合法変法を結合組織移植片採取部位に用いている。(2) 垂直マットレス縫合法 水平マットレス縫合法と同様に、歯肉弁を骨面に密着させたい場合にⅠを、歯肉弁断端を引き寄せたい場合にⅡを使用する。本書では、ⅠをWedge部の縫合に用いている。2)マットレス縫合法 マットレス縫合法は、歯肉弁を骨面に密着させたい場合と、歯肉弁断端を引き寄せたい場合によって縫合糸の通し方が変わる。④①②③図1-2-10c 水平マットレス縫合法Ⅱ①②④③図1-2-10b 水平マットレス縫合法Ⅰ表1-2-7 主な縫合法の分類6)1)単純縫合法 もっとも頻繁に用いられる縫合法である。簡便な方法で、創部閉鎖を得ることができる。本書ではほぼ全章で用いている。図1-2-10a 単純縫合法①②④①②③図1-2-10d 垂直マットレス縫合法Ⅰ④①②③図1-2-10e 垂直マットレス縫合法Ⅱ

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