ブタ実習から学ぶ歯周外科サブノート
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402)剥離 全層弁剥離は、MGJを越えない範囲で歯槽骨がわずかに露出する程度に行う。MGJを越えた場合は、歯肉弁が歯冠側に移動しやすくなる。図2-1-12 近心側/Wedge部/全層弁剥離(骨膜剥離子)骨膜剥離子の先端を骨面に当て、回転させるようにして歯肉弁を骨面から剥離する。図2-1-13 頬側/全層弁剥離(骨膜剥離子)頬側・舌側も同様に、骨膜剥離子の先端を骨面に当て、回転させるようにして歯肉弁を骨面から剥離していく。MGJを越えないように注意する。図2-1-14 舌側/全層弁剥離(骨膜剥離子)(骨膜剥離子、キドニーシェイプナイフ)舌側はキドニーシェイプナイフを用いてもよい。図2-1-15 咬合面/全層弁剥離後MGJを越えない歯肉弁の剥離の範囲内で、骨形態がしっかり確認でき、肉芽組織の掻把ができることが望ましい。図2-1-16 全層弁剥離後の歯肉弁MGJを越えない剥離のため、歯肉弁の歯冠側方向への可動性は認めない。 ライニングは、切開線の”下書き”であり、ライニングにより切開の概形を決定し、連続性のあるスムーズな切開線を決定できる。 ディープニングは、歯肉弁の厚みを調整する。ディープニング時のメス刃の傾きが、歯肉弁の厚みの決定に直結するため、慎重に角度決定を行う必要がある。またメスの動きは基本的に引くストロークで、メスを上下に動かさない。 写真では、MWFとAPFのディープニング時のメスの傾きの違いについて確認したい。ライニングとディープニングについてポイント1b APFディープニング時のメスの傾き部分層弁を形成するとともに、歯肉弁の厚みを調整することが目的となるため、ディープニング時のメスの角度は歯槽堤の角度に近い。歯肉が薄すぎると歯肉弁壊死の可能性が高くなる。ポイント1a MWFディープニング時のメスの傾き歯肉内縁上皮を除去することが目的となるため、ディープニング時のメスの角度は歯軸に近い。 ポイント1

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