ブタ実習から学ぶ歯周外科サブノート
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452-2 部分層弁による切除療法・ 歯肉弁根尖側移動術 Apically Positioned Flap症例2-2-1a 初診時正面観右上臼歯部は挺出しており、左上臼歯部と比較し歯頚ラインに大きな差を認めた。症例2-2-1b、c (b)初診時右側方面観 (c)初診時デンタルX線写真根管治療がされており、メタルコアが装着されていたがいずれも良好な状態であった。■症例概要 患者は40歳、男性。654の補綴装置が脱離した状態で長期にわたり放置をされていた。 歯根の挺出とともに歯槽骨も挺出しており、現状では適切なクリアランス、フェルールを獲得することが困難であった。歯周状態は良好、アタッチメントロスはない。■外科目的 補綴修復処置のクリアランス確保とフェルールの獲得■外科概要 歯周外科治療に先立ち、可能な限りの圧下を行い、骨削除量が最小限になるように配慮した。 仮想CEJを設定し、健全歯質が4mm程度骨縁上に確保できるよう骨外科処置を行うとともに、歯肉弁を骨頂に位置付け、生物学的幅径の獲得を目指す。2-2 臨床例①切除療法症例2-2-1d 術前右上/インプラントアンカー圧下後インプラントアンカーを用いて圧下を行い、歯冠歯根比が悪化しないよう配慮した。症例2-2-1f 骨外科後骨削除を行い、仮想CEJから約4mmの健全歯質を露出した。症例2-2-1e 部分層弁剥離後/骨外科前部分層弁剥離後、二次切開・三次切開を行い骨頂を露出した。症例2-2-1i 最終補綴後右側方面観十分な歯冠長が確保できている。症例2-2-1j 最終補綴後デンタルX線写真適切な歯冠歯根比を獲得できている。症例2-2-1g 縫合後/頬側歯肉弁の根尖側移動を行い、歯肉弁断端を歯槽骨頂に位置付けた。症例2-2-1h 縫合後/口蓋側歯槽骨頂を予測して切開しているため、歯肉弁を引き寄せると歯肉弁断端が骨頂に位置付けられた。口蓋側歯肉は厚く、硬いため、交差マットレス縫合にて歯肉弁を押さえ込んでいる。ghijcb

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