ブタ実習から学ぶ歯周外科サブノート
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96■症例概要 患者は67歳、男性。下顎右側小臼歯部に垂直性骨欠損を認め、歯周囲に角化歯肉は存在しているが、約7mmの歯周ポケットが見られた。小臼歯はブリッジの支台歯となるため、再生療法により歯周組織の改善をすることとした。■外科処置の目的 再生療法により歯周組織の改善を図った。その後に残存した問題に対しては、生物学的幅径が得られるように再度歯周外科治療を行うこととした。■外科概要 骨欠損の形態は3壁性の骨欠損で、単根歯のためデブライドメントも行いやすい状態であった。エムドゲインを根面に塗布後、周囲から採取した自家骨を骨欠損内に充填し、吸収性コラーゲン膜を設置した。 再生療法後2年経過して、残存する骨欠損に対しては骨外科処置を行い、遊離歯肉移植により付着歯肉の獲得を図った。症例2-6-1b 剥離後骨欠損の形態は3壁性で、再生療法の適応症であった。症例2-6-1a 術前下顎右側小臼歯部に垂直性骨欠損が認められ、歯周囲に角化歯肉存在しているが、約7mmの歯周ポケットが見られた。症例2-6-1c エムドゲイン塗布徹底したデブライドメント後に根面に対してエムドゲインを塗布し、その後骨欠損内にエムドゲインを填入した。症例2-6-1d 自家骨移植周囲から採取した自家骨を骨欠損内に充填した。症例2-6-1f 縫合後歯肉弁同士の断端が適合するように縫合した。症例2-6-1e メンブレン設置吸収性コラーゲン膜を隣接面部に設置。症例2-6-1h リエントリー剥離時歯周囲組織の歯周状態を改善するために歯周外科治療を行った。硬組織に改善は見られ、残存している骨欠損は骨外科処置にて改善した。症例2-6-1g 術後2年周囲の角化組織は減少しているため。付着歯肉はない状態である。症例2-6-1i 遊離歯肉移植片縫合後付着歯肉の獲得のために遊離歯肉移植術を行った。2-6 臨床例①エムドゲインを用いた歯周組織再生療法

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