ブタ実習から学ぶ歯周外科サブノート
8/8

972-6 歯周組織再生療法による 垂直性骨欠損への対応 Periodontal Tissue Regeneration■症例概要 患者は45歳、女性。咀嚼障害を主訴に来院された。下顎前歯部には垂直的な骨欠損を認め、歯のポジションにも問題があった。臼歯部にはインプラント治療を行い咬合の安定を図ることとした。また適切なアンテリアガイダンスを獲得するために矯正治療を行うことで合意したが、矯正治療に先立って再生療法を行うこととした。■外科目的 3─3に認められる垂直性および水平性骨欠損の改善、生理的な骨形態の獲得のため再生療法を行うこととした。また、バーティカルストップの獲得のため左下臼歯部のインプラント埋入も行った。■外科概要 切開線に関しては歯間乳頭の幅が2mm以上ある12間にはMPPTを選択し、その他の部位にはSPPFを選択して全層弁でフラップを翻転した。徹底的にデブライドメントを行った後、再生を期待する部分にリグロスを塗布し、6−0ナイロン糸にて縫合を行った。2-6 臨床例②リグロスを用いた歯周組織再生療法症例2-6-2a、b 歯周基本治療後の口腔内写真歯周外科治療を行う際にはプラークコントロールを徹底することが成功の鍵となる。咬合面観においては咬耗を認めパラファンクションが疑われる。症例2-6-2c~e 術前のデンタルX線32間、23間には4mmを超える垂直性骨欠損を認める。歯槽硬線が不明瞭な部分も認められる。症例2-6-2f 切開線の選択乳頭の幅の大きさによって切開線を選択する。12間にはMPPTを選択した。症例2-6-2i 水平マットレス縫合変法リグロスを塗布後、水平マットレス縫合変法を行う。縫合糸でフラップをしっかりと寄せ合うことによって再生の足場を保持する。症例2-6-2g 全層弁剥離後歯間乳頭を歯間部歯槽骨から切離したあとに骨欠損部の肉芽組織から切り離し、舌側の骨頂までメスを到達させる。症例2-6-2h 根面洗浄徹底的なデブライドメントを行った後に根面を洗浄、乾燥したうえでリグロスを塗布する。リグロスは軟組織の治癒にも良好な反応を示す。acdeb

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る