歯科衛生士のための全身疾患チェアサイドbook
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4つの視点でつかむ! 全身疾患28Part1 患者さんの持病のことや生活背景、診療時の注意点を知りたい場合は……図解でわかる バイタルサインのとり方、読み方Part2 診療時に患者さんの全身状態を知りたい場合は……図解でわかる 救急蘇生法Part3 緊急事態が起きた際の対応を知りたい場合は……医療面接で何を聞く? 全身疾患の情報収集Part4 全身疾患についての情報を患者さんから聞きたい場合は……Chapter脳血管障害1口腔への影響は? 口腔領域の運動障害や唾液分泌量の減少のために、自浄作用が低下します。また、腕や手指の運動障害によってブラッシングが行いにくくなるため、口腔内が不潔になりがちです。その他、摂食嚥下機能障害による誤嚥を起こしやすく、誤嚥性肺炎の危険性が高まります。来院時に収集する情報は? 脳血管発作を起こした時期、後遺症、服薬について情報収集をします。高血圧症などの合併症については、それぞれに対処が必要なので、状況を把握しておくことが大切です。処置の際に気をつける点は? 一般的に、発作後6ヵ月以上を経過してから歯科治療を行います。治療中は血圧の変動に気をつけ、ストレスをかけないようにし、チェアタイムを短くします。 また、スムースなコミュニケーションが取れない場合も少なくありません。説明はわかりやすい言葉で端的に伝えてあげてください。ユニットへの移動が困難であったり、姿勢によっては誤嚥を招きやすい、同一の姿勢を長く続けられないといった問題もあります。安全に配慮し、操作はゆっくり行います。 抗血栓療法を受けている患者では、観血的処置時の止血に十分な注意を払う必要があります。来院時の発作等への対応は? 手足のしびれ、意識障害、嘔吐がみられたときは、脳卒中が疑われます。また、くも膜下出血では激しい頭痛をともないます。こうした場合、患者をゆすらないよう安静を保ち、救急車を要請します。意識がない場合は気道を確保し、BLS(一次救命処置)を行います【82ページ参照】。図3脳血管障害により舌の動きが低下し、唾液分泌量も少ない患者の口腔内。舌苔が多く付着している。どんな口腔を呈する? 舌や頬部の運動障害により、食物残渣の停滞が起こりやすく、舌苔が増えることも少なくありません(図3)。特に、麻痺側の舌苔が厚くなることが多いです。脳血管障害患者の口腔内の特徴は?3脳血管障害患者に歯科衛生士はどうかかわる?413P012-019_SOS_1_1-4.indd 132019/11/26 16:26● 口腔との関連全身疾患や服用薬による口腔への直接的・間接的影響等を解説。● 診療時のTo Do来院した際に処置が可能かどうかを判断するために、何を患者から聞き、どう判断するのか、また、処置時の注意点、緊急時の対応等を解説。3ッチクェ4ッチクェ7

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