医療・介護の現場で役立つ ベーシックオーラルケア
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9第1章 ベーシックオーラルケア(BOC)とはそこでもいつものワーカホリック状態となり、朝から晩まで研究し、移動中のバスでも電車でも、旅行先のプールサイドでさえもずっと論文を書いていました。研究成果は、当時ボストンで開催された国際歯科研究学会(IADR)で表彰され、その後はご縁をいただいた学会の評議員やガイドライン作成委員としての仕事をさせていただくことになります。順風満帆に思われることもありますが、「患者さんの痛みを治す」ことについてはいつも悩んでいました。この口腔顔面痛には確立された診断方法や治療法がなく、いくら研究をして論文を書いても、またそれが世界で高い評価をされていたとしても、「結局患者さんの痛みを取ることはできない」という無力感が大きく、自分がやっていることに意味があるのかと悩んでいたのを筆者のオーフス大学(デンマーク)留学時代。

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