インプラントYEARBOOK 2020
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ジンマー・バイオメット・デンタル合同会社(旧社名:ジンマー・バイオメット・デンタル株式会社)ジンマー・バイオメット・デンタル合同会社(旧社名:ジンマー・バイオメット・デンタル株式会社)Zimmer BiometDIEM®2システムを用いて即時暫間修復を行った臨床例● はじめに 残存天然歯に多数の抜歯が必要でインプラント修復を行う場合,抜歯後の審美性と機能性を維持することができないと,患者の生活の質が著しく低下してしまう.可撤性義歯での修復が可能であればある程度の満足が得られると思われるが,可撤性補綴となれば口腔内の状況が大きく変わってしまうため,固定性の補綴を希望される患者は少なくない.このような場合,抜歯と同時にインプラント支持による固定性の即時修復が可能となれば無歯顎患者にとってのメリットは大きなものになる. 本稿ではジンマー・バイオメット・デンタル社のDIEM®2のシステムを用いて上顎の抜歯後即時修復を行った症例を供覧する.● 症例供覧DIEM®2を用いた上顎抜歯後即時修復症例 患者は初診時67歳,女性.右側上顎臼歯部および下顎前歯部の動揺を主訴として来院した(図1,2).患者は固定性の補綴を希望されたため上顎は全顎のインプラント補綴,下顎は保存可能な天然歯を残し,前歯部と大臼歯部にインプラントを用いて補綴する治療計画を立てた. 歯周基本治療の期間においては審美性と機能性を確保することに細心の注意を払った.下顎は₆₃₂₁₂₇の6本を抜歯し,その後唇側転位していた₃を歯列内に矯正移動し,ポンティックを接着した状態で₅ー₅の歯列を整えた(図3).  一方,上顎は₄₃₃₅を支台歯とした暫間ブリッジを装着しながら抜歯部位の治癒を待った(図4). その間にCT撮影およびコンピュータシミュレーションを行い,ジンマー・バイオメット・デンタル社のナビゲーションシステムであるNavigator® System用サージカルガイドを設計した.傾斜埋入と角度付きロー・プロファイル・アバットメントを用いることにより,上顎洞を避けた埋入が可能となり,サイナスリフトが不要となり,より低侵襲な治療計画が可能となった(図5)1,2).北島 一 Hajime Kitajima静岡県磐田市開業:北島歯科医院日本口腔インプラント学会,米国歯周病学会(AAP),ヨーロッパ審美学会Aliate member(EAED),静岡県口腔インプラント研究会理事,日本臨床歯周病学会認定医,5-D Japanファウンダー,OJ常任理事129129

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