ビジュアルマイクロサージェリー
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 マイクロスコープ下で外科処置を行うからといって,決して特殊な環境をつくる必要はない.工夫次第では,個人開業医院においても大学病院並みの手術環境を整えることができると筆者は考える.重要なのは処置の種類に応じた治療環境の整備であり,筆者は3つのレベル分けをしている. すなわち,①う蝕治療,スケーリングなどいわゆる一般的なものを「一般歯科診療」,②抜歯,歯周外科など人体から病変を外科的に“取る”処置を「一般外科診療」,③インプラント治療,歯周組織再生療法など人体に何かを“入れる”処置を「再生外科診療」とし,3つに分類して準備をしている(図1). 器具はすべてオートクレーブによる滅菌であることはいうまでもない.準備する物品もディスポにするか否かは医院のクリーンスタッフやバックヤードの状況によって変わってくるが,ディスポだからコストカットできるかというと必ずしもそうではない.たとえば,当院では滅菌ドレープは大学病院手術室で使用していたものと同じものを数多く揃えているため,洗濯後にオートクレーブにかけて使用したほうが低コストである(図2).それらは,誰でもすぐ取り出せるようにユニット近くのキャビネットにわかりやすく表示して保管している(図3). マイクロスコープをどのようにドレーピングする1手術環境づくり図2 布ドレープを洗濯後,滅菌パックでオートクレーブにかけて使用したほうが運用コストが小さいと考える.図3 滅菌したドレープとフェイスタオルをキャビネットにわかりやすく保管する.図1 歯科における環境づくりの3つのレベル分け.22一般歯科診療一般外科診療再生外科診療普通のグローブ普通のグローブ滅菌グローブ普通のケーシー普通のケーシー滅菌ガウンフェイスタオル滅菌ドレープ滅菌ドレープ器具はすべてオートクレーブによる滅菌

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