ビジュアルマイクロサージェリー
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かは,アームや鏡筒まですべてを覆うべきか議論が分かれるところではあるが,当院では図4に示すようにマイクロスコープ製造元の純正ドレープキットを使用している.手術の準備は写真でマニュアル化しており,誰でも準備できるようなシステムを構築している(図5). 当院では手術室を設けているが,個室である必要はなく,パーテッションで区切られているだけでも立派な手術室は完成する.当院で再生外科診療を受ける患者は全員更衣室(図6)で人間ドックの検査衣に着替えていただく(図7).これにより,患者が楽に手術を受けることができる,血液などが飛んでも問題ない,生体モニターを装着しやすいといった利点がある. 手術の準備工程を図8に示す.患者の状況に応じて鎮静法をかけるが,重要なことは必ず術直前にはお手洗いに行っていただくということである.また当院では,外科処置にかかわらずマイクロスコープで侵襲の大きい診療を行う際は必ず生体モニターを装着する.マイクロスコープを覗いていると術野に集中しがちになり,患者の状態を音で判断できる生体モニターは必携である. また,院内の歯科医師が全員手が空かないといった不測の事態に備え,院内のスタッフが全員装着できるようにトレーニングしておくことが重要である(図9).手術器具については各人が裸眼,ルーペ下で使用するものをそのまま流用できると考えているが,マイクロスコープ下で扱いやすいであろうツールを以下に紹介していく.図4 当院における術中のマイクロスコープのドレーピング.図5 インプラント手術の準備器具.図6 オペ室内に更衣室を設けている.図7 再生外科診療を受ける患者は全員この検査衣に着替えていただく.インプラント外科セットサイナス用外科セット外科基本セット通称「弁当箱」マイクロ用ドレープインプラント外科アクセサリーセットChapter2 マイクロデンタルサージェリーの環境づくりと使用器具23

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