歯内療法のパラダイムシフト
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12別冊 the Quintessence 「歯内療法のパラダイムシフト」 日本で開発された歯科用小照射野エックス線CT(以下,CBCTと略)は,確実に歯科を変え,開業するときには導入を検討する機材の1つとなった.各社から多種の装置が発売されているが,その中身はばらつきが大きく,装置ごとに特徴がある.また,それぞれの装置によって撮影目的が限定される場合があるため,どの機種を使用しても同じような画像 デンタルエックス線写真では見えない形態をCBCTで確認できるようになり,診断の精度が向上した.骨の厚さ,根尖と骨との位置関係などがデンタルエックス線写真での見え方に影響する.また,が得られるというわけではない.とくに歯内療法の診断は根管形態が見えないと話にならないため,使用できる装置はかなり限定されると思われる.  また,高価で高性能な装置を導入しても,使い方によっては性能を十分に引き出せていないかもしれない.それなりに撮影テクニックが要求され,かつ撮影した画像の読影技術も必要となる.歯科ではこれまでに医科用CTが使用された報告が散見される.CBCTでは,デンタルエックス線写真,医科用CTよりも患部に関する情報量が格段に増え,その精度も向上している.このことから,歯内療法二次元から三次元へCBCTが変えた画像診断吉岡隆知東京都開業 吉岡デンタルオフィス連絡先:〒101‐0062 東京都千代田区神田駿河台2‐3‐13 鈴木ビル1Fはじめに1.どのようなパラダイムシフトが起きたか?1

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