はじめてのホワイトニング
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8●PART1 ホワイトニングをはじめる前に 天然歯表層の色調は単調でなく、実際には細部にわたりさまざまな色調が混在している。この歯の色調(シェード)を評価する場合には、一般的に指標としてシェードガイドを用いたシェードテイキングという手法がとられる。 歯冠修復・補綴治療を行う際、とくに技工操作をともなう場合のシェードテイキングでは、その目的とするシェード情報(支台歯、隣接歯や反対側同名歯の色調など)を、写真撮影や専用の測色器を用いて事細かに評価し、技工サイドに情報を伝達することによって色調再現を試みる必要があるが、ホワイトニングでは色調の細部までを読みとることはそこまで重要でなく、むしろ、歯の色調の全体像を把握することのほうが重要となる。 歯科臨床の場で多く用いられているVITA(白水貿易)のシェードガイドを例にとると、日本人の歯の平均的なシェードはA3~A3.5を示し、若年程数値は低く(A2←)、加齢につれ数値が増す(→A4)傾向にある(図1)。 ホワイトニング処置を行う場合には、現時点での患者の歯の色がどの程度に相当するかを事前評価し、患者自身がイメージする理想の歯の色の希望を取り入れながら、どの程度までのシェードアップを目指すのかのゴール設定を行い、治療を進めていく。歯の色調(シェード)を評価する新井聖範図1a,b シェードガイド。a:VITAシェードガイド3Dマスターガイド(白水貿易)より一部抜粋、b:VITAクラシカルシェードガイド(白水貿易)を左から明度順に並べたもの。B1A1B2D2A2C1C2D3A3D4B3A3.5B4C3A4C4自然な白さ日本人の平均的な色baOM3OM2OM1

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