正しい臨床決断をするためのエビデンス・ベースト・インプラントロジー
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1567章症例6症例6-a、b 患者は22歳、女性。6部へのインプラント埋入前のCBCT画像。歯槽頂部での頬舌的な厚みは6.25mmのため、ナロータイプのインプラントを母床骨内に埋入は可能であるが、頬側に2mmの骨幅を得るためには、マイナーGBRが必要であると判断した。症例6-c、d インプラント埋入直後のCBCT画像。インプラント体は完全に母床骨内に埋入し、薄い頬側骨に対してBio-OssとBio-Gideを設置し、GBRを行った。メンブレンの固定はしていない。症例6-e、f インプラント埋入後2年6ヵ月のCBCT画像。インプラントの頬側骨がインプラント長径の2/3以上吸収している。症例5と同様に、原因はソーサライゼーションの影響だけとは考えにくく、固定せずに動いてしまった骨補填材の吸収にともない、母床骨の吸収も惹起されたのではないかと考えている。図1-a、b 骨膜水平マットレス縫合を用いた骨補填材の安定化 岩野ら10)より引用・改変aa舌側(口蓋)の外側からフラップ内に刺入し、減張切開部より根尖部で骨膜を水平に拾い、口蓋側外側に刺出して、口腔外で結紮することで抜糸が可能である(a)。使用する縫合糸は、 結紮時に増し締めして、骨補填材と吸収性メンブレンを一塊として母床骨に圧接できるものが適しているため、GORE-TEX(CV-5)などのPTFE縫合糸が使いやすい。骨補填材の留置はインプラントの唇(頬)側だけではなく、インプラント直上にまで留置するほうが、もっとも厚みが欲しいインプラントプラットフォーム部分における増生量を獲得しやすい(青矢印)。続いて、減張切開部より歯冠側にホールディングスーチャーを通す(b)。aa症例6:フラットな骨面に留置した骨補填材の吸収②acebdfba

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