臨床家のための矯正 YEARBOOK 2020
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abc図6a~d 動的治療終了後11年(42歳3か月).a:顔貌,b:口腔内写真,c:口腔模型,d:パノラマエックス線写真.d030臨床家のための矯正YEARBOOK 2020り,この症例では,第一小臼歯の抜歯スペースの閉鎖に加えて,下顎大臼歯の遠心へのuprightが必要であった. 患者は,自ら外科矯正を拒否したこともあって非常に協力的で,Ⅲ級顎間ゴムを14か月間使用した.その結果,FMIAが100°から74°に大きく減少し,FMIAは50°から75°に増加した.当初,検討していたJ-hook headgearは使用しなかった. 下顎前歯の舌側移動は.016×.022stainless wireのclosing loopで行った.根尖を中心に遠心傾斜させ,根尖が極力歯槽骨の中心に位置するようにゆっくりと移動させた.幸いにも本症例は下顎前歯部の歯槽骨の厚みがあり,かなりの移動が可能と判断されたが,6か月ごとにセファロを撮影して下顎前歯の歯特集 成人の反対咬合を考える 第Ⅰ部 スタディグループによる症例提示

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