よくあるケースでイチからわかる!開業医のための歯科訪問診療算定ガイド
4/5

29第2章 来院困難となった患者の自宅に訪問して引き続き診療をしたい訪問診療の依頼理由は必ず確認する2 電話等で訪問診療の依頼があった場合、依頼理由(例:骨折や加齢による歩行困難、認知症により通院困難、脳血管障害や心疾患の後遺症のため通院困難、高血圧症によるふらつきのため歩行困難など)をよく確認する(26頁参照)。通院中から訪問診療可能なことを伝えておくとよい(例:各地域歯科医師会作成のポスターなどを掲示)。 なお、訪問診療を行った場合は、訪問先(自宅や施設の名称等)および訪問理由である患者の状態をカルテおよびレセプト「摘要」欄に記載する。訪問先については開始した日に限り記載するが、変更が生じた場合はそのつど記載が必要。3年以内に外来受診をしていた患者が歯科訪問診療に移行した場合に加算できる3 以前、歯科医院に外来受診をしていた患者で、現在は在宅等で療養を行っている人に対し、歯科訪問診療を実施した場合に「歯科訪問診療1」に「歯科訪問診療移行加算(訪移行)」+100点を加算できる(診療日ごとに加算可)。ただし、その歯科医院の外来を最後に受診した日(初診料または再診料を算定した日)から起算して3年以内に歯科訪問診療を実施した場合に限る。また、一度歯科訪問診療が開始されれば、途中で外来を最後に受診した日から3年を経過しても加算の算定は続けられる。なお、「在宅歯科医療推進加算(在推進)」(30頁参照)との併算定はできない。介護保険を利用する患者の自宅等を訪問して管理や指導を行った場合は介護保険で算定する5 「居宅療養管理指導費」は介護保険の算定項目で、歯科医師や歯科衛生士が介護保険利用者の自宅等を訪問し、定期的な歯科医学的管理等のサービスを継続的に行った場合に算定する。自宅等の同一建物において1人の患者にサービスを行った場合は509単位を算定する(月2回まで。算定単位数や算定要件等、詳細は16、17、98、99頁参照)。算定に際しては、利用者本人や家族等に対して在宅サービスを利用するうえで必要な口腔のケアや介助方法、留意点等についての指導を行うとともに、担当のケアマネジャーに、ケアプランを作成するために必要な情報提供等を行う(16、17、81頁参照)。義歯の検査をもとに患者にその状態を説明したうえで、義歯の調整・指導を行った場合に算定する4 「歯科口腔リハビリテーション料1 1 有床義歯の場合(歯リハ1(1))」は、有床義歯を装着している患者に対して、有床義歯による口腔機能の回復または維持を主眼として、義歯の適合性や咬合関係等の検査を行い、その状態を説明したうえで、義歯にかかわる調整または指導を行った場合に算定する(月1回限り)。算定した場合は、調整方法、調整部位、指導内容の要点をカルテに記載する。令和2年4月の診療報酬改定により、臼歯部の垂直的咬合関係の有無にかかわらず、装着義歯の欠損歯数だけが算定要件となり、算定点数は総義歯または9歯以上の場合が124点、それ以外の場合が104点となった。

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る