別冊 QDT ジャパニーズ エステティック デンティストリー 2021
2/9

11THE JAPANESE JOURNAL OF ESTHETIC DENTISTRYISSUE 2021Laminate veneers:classification of the preparation range and margin position of the abutment teeth and case study 1980年代中葉から臨床応用が開始されたラミネートベニアは、現代の社会環境に即した審美性の回復、また近年ますます求められるようになった最小限の侵襲(MIコンセプト)といった観点から、審美修復においてますます必要不可欠な存在となっている。また、従来はラミネートベニアといえば長石系陶材を用いた「ポーセレンラミネートベニア」が主流であり、「PLV」という略称が一般的であったが、近年ではプレステクニックを用いて二ケイ酸リチウムで製作されるものや、CAD/CAMシステムを用いてジルコニアで製作されるものまでが登場し、いちがいに「ポーセレン」とよべなく ラミネートベニアを応用するにあたって重要となる支台歯形成と、マージンの位置についてFig 1に示す。ラミネートベニアのデザインとしては、支台歯のproximal(隣接面)コンタクトを残すものと、それを越えてbeyond proximal(隣接面を削除する)とするもの、そして支台歯の全周にわたっなってきた点も興味深い。実際問題、審美性の観点からすれば従来の長石系陶材に一日の長があるが、二ケイ酸リチウムやジルコニアであっても昨今のステインマテリアルの進歩により、とくに多数歯症例では長石系陶材に勝るとも劣らない審美性が得られるようになってきた。 そこで本別冊では、形成範囲とマージン位置からみたラミネートベニアの分類について示した上で、筆者が15年ほど前に施術した長石系陶材によるポーセレンラミネートベニアと、2019年に施術したプレスセラミックスによるラミネートベニアの症例を供覧したい。て0.8mm程度、エナメル質は残しながら削除する360°ベニアが挙げられる。いずれの場合もエナメル質を残存させることが高い接着力を得るために必須であり、とくに360°ベニアの場合にはできるかぎりエナメル質を残すことが長期安定のために重要である。Veneers Preparation DesignMargin LocationProximal contactBeyond proximalFull coverStandard prepProximal cavityTooth Width controlOcclusion control( Enamel )Supra GingivaNon discolorationSub GingivaDiscolorationNon Prep ( 0 mm )Thin Prep( 0.3 mm )Ultra Thin Prep( 0.2 mm )Normal Prep ( 0.4 mm )Semi Deep Prep( 0.5 mm )Deep Prep ( 0.7~1.0 mm )・Adhision strength・Full coverProximal . cBeyond . PContour control Beyond Proximal ・Disadvantage - Loss of EnamelFig 1 ラミネートベニアを応用するにあたって重要となる支台歯形成と、マージンの位置についての分類。はじめに形成範囲とマージン位置からみたラミネートベニアの分類

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る